ready go! 

一日も早い回復をお祈りいたします

21日の続き

2007-06-22 12:28:43 | ラジオ

青春アドベンチャー ラジオの前で
21日の放送の 続きです。

ラジオで 人生相談をしている女弁護士
くどうあかね。
44才、独身。

昨日 嫌なメールが 届いた。
気分が悪いので すぐ家に帰ろうと思い、
タクシーをひろった。

「どちらまで?」
「三軒茶屋。・・いえ 渋谷まで。」
自宅に戻ろうとしたが クライアントから謝礼をもらったのを
思い出して パーっと気分を晴らすことにした。

(ラジオ) 海で行方不明になった やまなかこうたろうさんは・・、

海。私の父も海で死んだと聞かされていた。
でもそれは 嘘だった。
はじめから 父親は いなかったのだ。

「ごめんなさい、ラジオ消して。」
「は・・い。エアコンは 寒くないですか?」
「いいわ。このままで。」
「台風が近づいているみたいですね。」

うるさい運転手 ネームプレートを見ると
さまじまけいご
となっていた。
自分が 本名ではないから ついネームプレートを見てしまう。

「ラジオの方ですよね、人生相談の。」
「少し黙ってもらっていいですか(怒)。」
「・・すみません、知り合いが あなたのファンなので。」

私は私のファンじゃない・・★
くどうあかねは くどうあかねが 好きじゃない★

~さめじまけいご(タクシー運転手)

普通なら 話し掛けたりしないのだが、
この人は 別だった。
れいこさんが ファン。
そして オレも この人の ある言葉が気になっていた。

「ごめんなさい、渋谷は やめて、三軒茶屋にして。」

「・・儲かるんでしょうね。そして あなたは人気ものだし。」

「いつか あなたが ある質問に答えて、肉親のことは すべて捨てなさい。
 あなたは あなたの幸せを 追い求めなさい。・・と言われてましたよね。」
「ごめんなさい・・。疲れているの。何も答えたくないの。」

「すみません、あなたは・・、それでは 誰に相談するのですか?
 誰を信じ、誰を頼っているのですか?」
「兄弟の為に 何かをするのは 滑稽ですか?」

「滑稽ね。それが どんな事でも。」
「そうですか。」
「全部 自分の為だと 割り切れるなら いいと思うけど。」
「自分の為・・。」
「やっぱり ラジオつけて。」
(ラジオ) 260万の銀行強盗のニュースが流れる。

国道246を走りながら れいこさんの事を考えていた。

「あそこ、あのマンション。」
「はい。・・お疲れさまでした。3560円です。」

一刻も早く 家に帰りたかった。
「1万円でいい?」

困った顔になって もたもたしている運転手の つり銭をもらうのに耐えられず
「おつりは いいから。」「でも・・。」「いいから。」

何かから 逃げるようにタクシーを降りた。
チン・・(エレベーターの開く音)
 
母は 結婚せずに私を生んだ。
母は いつも 奔放で自分勝手だった。
私は 幼い頃から 母に愛された記憶がない。
私が 18の夏 母は 若い男と暮らすようになった。
私は 家を出た。沖縄には もう2度と戻らないと誓って。

誰もいない 一人ぼっちの部屋に戻るのが嫌で
私は いつもラジオをつけっぱなしで 出かける。

~悲しげな曲(アルビノーニの アダージョト短調)が 聞こえている。
(こんな思いっきり悲しい テーマ音楽を使うなんて どれだけ 落ち込んでいるのでしょうか、くどうあかねさん。)←tomokeiの正直な感想★

私を いつも向かえてくれるのは ラジオからの音。
昨日の嫌なメールは こんなものだった。

「母親のことは 無視していい。母親が自分のエゴだけで生きている。・・そんな発言を聞いて 私は心から悲しくなりました。あなたは ひどい娘です。」

これは 母からのメールであるはずが無い。
ありえない。自分の娘が くどうあかねである事を知らないはずだから。
私は 本名を隠して生きてきた。

~ただいまの出演・・(ナレーションが入る。)

なんだか みんな何かで繋がっている お話なのでしょうか?
そんな感じですね。
明るい、楽しいばっかりの お話では無いけれど
寂しかったり それぞれ みんな悩みを抱えていたりも するんだけど
どこか ゆっくりしていて 穏やかな雰囲気です。 

6/21の放送

2007-06-22 03:41:28 | ラジオ

青春アドベンチャー ラジオの前で
6月21日の放送。

今日は 川久保くん(さえきゆういちくん)からです。


オレ さえきゆういちは 昨日と同じ場所で 
まりこさんを 待っていた。

午前5時半 自宅近くのコンビニの前。
あー、今日こそは 海行きてーなー。

(ラジオ)大型で 強い勢力の台風3号ですが・・。

台風こっちに向かってるんだ。
ビックウェーブくるかな?
あ、でも ちょっと危険かな~?
まあ、オレそんなに上手くないしな。
あーっ、でも行きたいなー、海。まりこさんと一緒に。

「ゆういちくん、おはよう~!」
「まりこ・・さん。」←嬉しそう☆
「お邪魔だったー?」
「いや・・、あ~ 今日の占いは?」(照れくさいので とりあえず聞いてみる。)
「うちで 聞いてきたけど 最悪の運勢だった・・。」
「まあー(笑)、そういう時もあるさ。」

「ほんとに 待ってたんだね。」
「まあ・・な、オレ 約束は 守るからさ。」
「そう、絶対約束は 守る?」
「ん? まあ たぶんな。」

「そう?じゃあ 行きますか、この凹んだ車で。」
「そう言うなよ~、気にしてんだからさー。」
「修理したら?」
「修理に出してたら・・」
(待ち合わせできなかった。)
「え?」「いや(汗)。」

「あのさー、ところで 何処行くんだっけ?」
「じょーだんは よしてよ! う・み!」
「だよね(笑)、じゃあ くがしま海岸へ 出発!」
「って、勝手に行き先決めんなよ!」

・・・北阪昌人作 ラジオの前で 10回シリーズ 第4回・・・
と ナレーション。

「おーい、勝手に ラジオ触るなって!」
「いいでしょ、けちくさい。」

(ラジオ)ニュースです。ハワイのオアフ島 ノースショアで
現地ツアーガイドの日本人が 未だに行方不明です。

「海は 怖ーよな~、やっぱ。」

(ラジオ) やまなかこうたろうさん、39才。
「え?」
「うん・・。海は怖いって。特に台風とか来ていると。怖えーよなーやっぱ。」
「・・そうね。」

(ラジオ)やまなかこうたろうさんは ハワイで観光業を営む・・・、

「まず 助からないだろうな この人。・・大丈夫?」
「うん。」
「顔色悪いよ。」
「うん・・。」
「気分悪い?」
「ごめん・・、ちょっと。」
「そっか、あの・・、 この先にハンバーガーショップがあるから そこ行く?」
 
いらっしゃいませ、どーぞー!(バーガーショップ)

まりこさんと 窓際の席に行く。
国道は ひっきりなしに 車が行ったり 来たりしていた。
まりこさんの目は・・、真っ赤だった。

「やっぱり・・海には行けない。」
「どうして?」
「海には・・。」
「そっか・・。分かった、じゃあー 戻るよ。海は またにしよう。」
「私 こっから1人で帰るから ゆういちくんだけ行って。」
「あほ! こんな所に 一人残して行けるかよ。」
「ごめん・・。」

急に まりこさんが うつむき、
そして 涙が ポタポタと テーブルに落ちた。

「まりこさん・・。」
「さっきのニュース。元カレなの。」
「えっ! さっきのニュースって。」
「オアフ島のノースショアで 行方不明になった日本人。」
「えぇ!!マジ?」
「・・前に つきあってたひと。」
「そっか。」

「彼、サーフィンが好きで。と言うより 海が生きがいで プロサーファーとして 世界中を旅をして。 去年 ハワイで知り合ったの。」

「私は 友達と旅行に行って、そこでサーフショップに勤める彼がいて。」
「そっか。」
「海の素晴らしさを 少年みたいに話すひとで。」
「あ、あー。」
「旅行の あいだ中 私は友達とは 別行動で。彼と海に行ったの。」
「私は どんどん彼に惹かれていった。彼も私のこと 好きだった。」
「でも・・。」「でも?」
「彼には 日本に残してきた奥さんがいて。」
「そう・・。」
「彼が 日本に帰ってきてからも 一緒に海に行った。私は いつも 波に乗る彼を岸から 見てるだけ だったんだけど 幸せだった。」
「私 はじめて 心から人を好きになった気がした。」
「はじめて・・か。」

「やまなかさんは いつも海にいた。いつも海と戯れていた。」
「やまなかさん こう言った。『まりこ、アロハ という言葉には こんにちは と さよなら 二つの意味があるんだよ』って。」

「さようなら・・て、別れたの?」
「ん?・・うん。」

やまなかさんって言う人が どういう人なのか、オレには分からない。
オレに分かるのは 今 すっごくジェラシーを感じてるってことだ。
ここまで 愛された やまなかって人に オレは 嫉妬していた。

「彼・・、またハワイに行っちゃったんだ。奥さんと。」
「そう。」
「・・海は辛いの。別れてから 半年経つけど 立ち直れない。
海を見て 私 平気でいられるか。
でも、行かなきゃ、行って ちゃんと忘れなきゃって 思って。
でも こんなこと、こんなことって・・。」

まりこさんは それから 何も話さなかった。
オレは まりこさんを車に乗せて 来た道を引き返した。

いつものコンビニで 車をとめた。

「ここでいい?」「ありがと。」
「あのさ・・。」「なに?」
「明日も ここで待ってるよ。」
「・・もう、いかない(涙)。」
「とにかく、明日も 明後日も 朝 ここで待ってるよ。」
「・・じゃあね。」「ああ。」
「ゆういちくん。」「うん?」
「ありがとう。」

そう言うと彼女は ゆっくりと いなくなった。
その細い背中を見ていたら・・悲しくなった。

・・ここまでで 前半(川久保くんが出ている)が 終わり。
後半は 弁護士の くどうあかねさん と
タクシー運転手の さめじまけいごさん。

この回の さえきゆういちくん。
まりこさんの事が 好きになって、彼女の悩み、悲しみを知って
なんとか 力になりたい と思ったみたいですね。
さえきくんって さりげないけど しつこくて?(笑)
(いや、傷ついている時は このくらい しつこい優しさが嬉しいものです。)
 
この2人が これからうまくいくと いいな~と 思いました。

それから 今日も川久保くん 上手い。
それから 今日も?(笑)いい声です☆
いつも 声いいので そのことを 忘れがち なのですが 
今回は 特に優しい声です。癒し・・だと思います。

(また、上手い・・って言うと 心がこもって無いのに上手い・・みたいに聞こえるかもしれないのだけど そう言う意味では 決してなくて。)
ナレーションやセリフの言い方に ブレが少ないな~と思ったと いうこと。
回によって あんまり違いすぎない・・ということなんです。
安定している、と言うのも 大事なことですよね。