この間 映画「パヒューム」を観た時 感想を 少し書いたのですが、
もう 公開から ちょっと日にちも たっているから
内容も(ネタバレみたいに なりますが)
書いて 大丈夫でしょうか。
まだ観てない方は すみません・・。
(嫌でしたら 読まないで くださいね。)
この映画 CMでも流れて問題になったシーンとかが
話題になったり したんですけど。
(大○○シーン・・
)
私は それほど 気持ち悪いとか、いやらしい感じは 無かったです。
人の数が 多いから ボリュームあった というか
変った感じは もちろんしたんですけど。
香りに やられて みんな催眠状態なので 動きもゆっくりで。
暴力的な感じでは 無いです。
あれなら CMをうっかり見てしまった お子様に
「あの人達 どうしたの~?」
って聞かれても
「香水の匂いが 強すぎたから みんな眠くなって寝るところ・・なんでしょう。」
とかなんとか 言って 誤魔化せるかもしれない。
(・・ってことは 無い とは 思いますが。)
そのシーン 総勢750人 くらいだったそうです。
ヨーロッパの 有名舞踏団
「ラ・フラ・デルス・バウス」が 前面協力されたそう なのですが。
1、先ず、メインダンサーが 中心となって 見せ場を(芸術的に)作る。
(見えても 大丈夫なように?・・芸術的に見えるように?)
2、その周りを その他の普通のダンサーが取り囲んで サポートする。
(映像で メインのダンサーが 映えるように・・という事?)
3、そして、オーディションを受けた エキストラが 残りを務める・・。
という ように 撮影が 行われたそうです。
その せいか あんまり下品な感じでは 無かったです。
びっくり は しましたが・・。
問題のシーン といえば
私は そこより 最後(・・というか最期)のシーンの方が ショックでした。
あれは たぶん 自殺★なのでしょう。
自分の望みが 適って もう人生の目的(究極の香水を作ること)が なくなった為か?
それとも 最初に心惹かれた赤毛の女性を思い出して 涙を流していたのだから
自分が 望んでいたのが 実は香り・・ではなく その赤毛の女性だったのではないか?と 気づいて、そのひとを(殺して)失ってしまった事に対する後悔?
また 自分が 人間を操れるほどの力(香水)を持ってしまった事に対する畏れ?
・・なのか 分からないのですが
とにかく その香水を 頭からかぶって 市場の飢えた人達の中に 自ら身を投げる・・んです★
当然 人々は 猛獣のように グルヌイユに襲いかかって
気が付いたら 人が離れた後には グルヌイユの姿は 無くて、ボロキレみたいな洋服だけが残っていた・・。
残酷な話でしょう。ハンニバルみたいです★
(さすがに その映像は 写さない・・。というか そんなシーンは 撮っても 見ても いけないです★)
ここは 怖い・・というよりも 悲しくて すごく寂しい気持ち のほうが・・。
自分としては 主人公(グルヌイユ)の この行動は 赤毛の女性のことに気づいたからだ・・と思いたいです。
泣く・・という 初めての感情を 直前に見せていて、彼女と想像の中で 愛情を示しているんです。
あの感情の無いグルヌイユが
「ああ~、そうだったんだ・・。自分が欲しかったのは 彼女の香りではなくて・・。
こんな風に 彼女と仲良くすれば、良かったんだな・・。でも、もう遅いんだ。」
って、顔に一瞬なって 涙を流すんです。
神懸りなほど 香りに対して天才 として生まれついた主人公なんだけど
愛された事もなく 愛した事もないので
人に対する愛情が 分からない。
だから 自分の才能(嗅覚)が 愛情の代わりとして 異様に発達してしまった・・と思いたいのです。
この話 はじめから暗示みたいに
グルヌイユを手放そうとした 大人が 次から次へと 亡くなっています。
(主人公は そのことを 知らない。)
最初は 市場で グルヌイユを産みおとした母が 見捨て(見殺し)ようとする。
→母は“子殺し”として 絞首刑になる★
養護施設の 女主人は 革なめし職人に 売り飛ばそうとする。
→通り魔に さされて殺される。
革なめしの主人は 香水屋から グルヌイユを欲しいと言われて 金に目がくらんで やっぱり 売り飛ばす。
→川に落ちて 溺れて死ぬ。
香水屋の主人も ガルヌイユから 香水のレシピを聞きだす代わりに グラースに勉強に行かせて やっぱり手放す。
→家が偶然にも 倒壊して死ぬ。
みんな グルヌイユに愛情を持たず、利用(金儲け)しようとした途端 死んでしまう。
ずっと 愛の無い生活だったから、本人も わからないんですね。
だから あの香り(本当は愛情だったかも しれないのに)が欲しい・・と思うと
その命を 奪ってしまっていたのかも。
善悪の判断よりも まず自分の欲求が 上に来てたのも 愛情の存在が無かったから そうなった・・のかもしれないです。
悲しい話です・・。でも 芸術って そういう一面もあるんですね。
香りに関しては 天才。でも、代償も 得られないものも 多い。
芸術は そういうものだ・・って 言っているような お話でした。