アニーのパンフレットのOBインタビュー
初回のルースターの尾藤イサオさんでした。
ルースター役・・なんかピッタリだなーと思いました。
その時のハニガン役は夏木さんだったそうで
なんかもうぴったり過ぎて「あーそれ見たかったなあ」
って1986年らしいんですけど。
尾藤さんと夏木さんというのもいかにも兄弟っぽい。見たかったなあ。
私はアニーは初見でしたが
なんとなく微かな記憶があって
たぶんBSか何かの映画でアメリカの舞台かミュージカルを見たのかな、
でも集中して見たわけじゃないみたいであまり覚えていません。
アニーの悪戯も生意気盛りの「やり過ぎ」感があって
その時はあんまり好きになれなかったからかも。
歌のシーンはしんみりしたような記憶がありますが。
今回舞台を見て、パンフレットで内容をよく知ることが出来て
あの時代のアメリカのアイコンがあちらこちらに出てきて
そちらに目を向けて舞台を見ても楽しめました。
ブロードウエイのミュージカルを観に行くシーンではウォーバックさんが
「この子は今まで狭苦しい孤児院に閉じ込められてきたんだ
歩いていくことにしよう」と歩いて劇場まで向かうのですが
そのシーンではロックフェラーセンタービルのスケートリンクの背景で
まさに「THEニューヨーク」。
ショーで出てくるタップを踊る子供たちの衣装がサテンのタキシードで
舞台に並んで踊る演出は「コーラスライン」っぽい。
でも内容は「未来のスター」が「タップのスター」に成長するお話のようでもあって
だけど劇場は「マジェスティックシアター」だと言われていたので
「42ndストリート」のことなのかなーとか想像してみたり。
アニーが孤児院から脱走してたどりついたのがフーバービルという場所。
失業者が肩寄せ合って生活してるこの場所につけられた名前は
ルーズベルト大統領の1つ前の大統領の名前フーバーと同じもの。
政策が悪くて失業者がたくさん街に溢れたことを皮肉って
フーバーとつけられたのだそうです。
それとこれはアニーのお話を検索して知ったのですが
何年か前までアニーは演出が違っていてフーバービルのシーンにも
子供が浮浪者の子供たちとして何人か出ていて
「フーバー組」って呼ばれてたそうですが
その中に女優になる前のあおい優さんも出演されてたらしいです。
あのシーンはアニーの台詞がホント良くて。
「お金が無くてポケットもからっぽで寒くて手が凍りそう」という大人に
「ポケットがからっぽで良かったね、手がいれられるもの」とか言うの。
ポジティブ思考って時に空しいこともあるけど
何言ってんだよ、バカバカしいと荒んでいるときは特に思うかもしれないけど
ずっと暗いことばかり言う大人に一生懸命明るい返事をしようとするアニーの姿は
健気でいじらしくて可愛い。
孤児院にいた女の子が大富豪の養女になるなんて
ある意味「夢物語」のフィクションだよねーと思ってしまう
(心が汚れた?)私でもここは素直にあたたかい気持ちになりました。
まあ夢物語と言えばアニーがウォーバックさんに連れられて
時の大統領に会うこともそうですが
政策の事で意見が割れている場でなんとなくアニーが
トゥモローを歌ったことにより共和党と民主党が思いをひとつにする・・
なんてことも「それは無いだろー」と(またもや)思ってしまいますが
それもちゃんとアメリカの歴史の大事な転換期の
「ニューディール政策」に繋がってるんですよ。アニーおそるべし。
あとあの時代が禁酒法の真っ最中だったこと、
だから飲酒の場面をハニガンさんが必死に隠してたのかとか
飲酒の事実を察してたグレースさんが書類にサインさせる時
それとなく切り札に使ってたなあとか
色んな大人の事情が時々見えてそれも楽しかった。
土地のイメージが現代よりも分かりやすくて
「NJが田舎である」とか
「カナダにいたから情報が届かなかった」とか
わりとあからさまに見下してます。いいのかしら、そういう時代だったのかな。
ルースターとリリーがマッジ夫婦になりすます場面で
カナダから来た田舎の純朴そうな人のふりをするのですが
それがもういかにも「うさんくさい」(笑)。
微妙な形の眼鏡(やたら大きい)をかけてもっさりした服を着て
(イケメンの気配も感じられない)拓さん。「・・誰?」って感じ。
わざと下手になまって喋る拓さん(笑)、まあ上手いっちゃ上手いんだけど。
上手過ぎだから早くルースターに戻ってー
詐欺師でもいいからかっこいい姿に戻ってーって
なんてつい思ってしまうのは「かっこいいのにチャラいです」
という最近の出演作品傾向のものに慣れ過ぎてるせいか?
免疫が無いせいなのか?(何の免疫?)わけ分からなくてすみません。
でもそういうのってなかなか見られないから逆に貴重かもしれない。