コスモスが咲く頃は、「月の光が冷たく寒い秋」です。 春の桜に対して、秋の終わりに咲く秋桜は、静かに眺める花のように思います。 コスモスといえば、尹東柱の詩が思い出されます。
コスモス
清楚なコスモスは
ただひとりのわたしの少女、
月の光が冷たく寒い秋の夜になれば
昔の少女がたまらなく恋しく
コスモスの咲いた庭へ たずねてゆく。
コスモスは
こおろぎの鳴く声にもはじらい、
コスモスの前に立ったわたしは
幼いころのようにはずかしくなって、
わたしの心は コスモスのこころ
コスモスの心は わたしのこころ。 (1938.9.20)