メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

嘘八百

2018年01月09日 | 映画
嘘八百
を観ました。


大阪・堺。千利休を生んだ茶の湯の聖地に、目利きだが大物狙いで空振りばかりの古物商・小池則夫(中井貴一)が娘のいまり(森川葵)を連れてやって来た。
「西に吉あり」。ラジオの占いに導かれるように車を走らせていると、蔵のある屋敷にたどり着く。
門から様子を伺うと、主らしい男・野田佐輔(佐々木蔵之介)が帰ってきた。蔵の中を見せてくれると言う。庭にはジオラマ作りに夢中の息子・誠治(前野朋哉)がいた。
佐輔は「骨董の事は分からない。これ一つでも車一台は買えると聞いている」と言って茶器を差し出す。
則夫は名物に似せた贋物だと見抜き、売りつけた古美術店の名を聞くと、茶器を譲り受けた。
則夫は早速、その店を訪ねる。素人に贋物をつかませた証拠をネタに高額で引き取らせる魂胆だ。
ところが、店主の樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士の棚橋(近藤正臣)に軽くあしらわれてしまう。
くさっていると佐輔からの電話。屋敷に再び呼ばれた則夫は、書状を見せられ、絶句する。利休直筆の譲り状だ。
「お宝でっか?」と尋ねる佐輔にしらばくれる則夫。譲り状があれば茶器があるはず。
はやる心をおさえながら蔵の中を探すと、ついに利休の形見の茶器が現れた。国宝級だ。
「蔵のもの全部、百万円で引き取りましょう」。すました顔で申し出ると、佐輔は快く応じた。
翌朝、支払いを終え、お宝を積んだ車を上機嫌で走らせていると、ラジオから「油断大敵」の声。不安になって箱を開けると、茶器は真っ赤なニセモノだった。
大慌てで戻ると、屋敷の主は全くの別人(寺田農)だった。佐輔は留守番を頼まれただけだったのだ。
則夫が佐輔の行きつけの居酒屋に乗り込むと、百万円を山分けしている。
警察の筆跡鑑定もくぐり抜ける達筆のマスター(木下ほうか)、紙に詳しい表具屋のよっちゃん(坂田利夫)、どんな箱でも作ってみせる材木屋(宇野祥平)。彼らは贋作に関わる仲間たちだった。
隙を見て逃げ出した佐輔を追いかけると、さびれた家に着く。そこには佐輔の妻・康子(友近)と誠治、そして、いまりがいた。
屋敷に通ううち、誠治といまりは心を通わせていたのだ。息子に恋人ができたことに安心した康子は家を出ていく。
陶芸家としての才能があるにもかかわらず、樋渡と棚橋にそそのかされ、贋物を作り続け、くすぶっていた佐輔に愛想を尽かしたのだ。
利休形見の茶器の本物の〈譲り状〉と〈箱〉はある。だが、肝心の〈茶器〉がない。
則夫は一瞬でも自分の目を惑わせた佐輔の腕を見込み、一世一代の大勝負を持ちかける。
「悔しかったら、やり返せよ」。実は則夫自身にも樋渡と棚橋に一杯食わされた過去があった。
利休に関わる博物館を訪れた二人は、利休を愛してやまない学芸員(塚地武雅)に出会う。昔の情熱を次第に取り戻す佐輔。それを支える則夫。
力を合わせて作り上げる茶器はきっと「本物よりも凄いモノ」になるはず。
二人が仕掛けた一発逆転の大勝負は、樋渡や棚橋だけでなく文化庁をも巻き込み、前代未聞の大騒動に発展する。
果たして人生の借りを返し、一攫千金の夢を叶えられるのか─。


武正晴監督作品です。
百円の恋がとてもいい映画だったので今作も観に行ってみました。

なかなかベタな娯楽作品で単純に楽しめる映画でした。
関西色が非常に出ていて、関西ならではの胡散臭さや商魂たくましさなどがありきの映画ですね。
人を騙し騙される文化も他所の土地よりも盛んな印象ですね。
この手の映画を関西映画、又は大阪映画、ってジャンルにくくりたい気分になっています。

正直期待値は低めだったのですが、冒頭からその大阪感が強くて結構惹き込まれました。
大阪感の作り出し方は結構重要ですね。

そして序盤から結構などんでん返し展開です。
え?もうこんな感じ?ってくらいで騙し騙され、ネタバレしてという感じで。
いいテンポで娯楽映画としては見易かったですね。

佐々木蔵之介を騙したつもりの中井貴一が逆にがっつり騙されていて、
思ったよりもこてんぱんにやられて。
騙した側の佐々木蔵之介もそのタイミングで家庭崩壊して二人してどん底になってしまい。
二人で組んで因縁の相手を見返そうというスムーズな展開でした。

コメディ要素や痛快な要素もあり。
それでいて骨董の本格さもあり。
何より陶芸家のロマンの描写はなかなか素晴らしかったですね。
陶芸家を描いた映画をあまり観たことが無かったので斬新でした。

そしてシンプルに千利休という歴史上の人物の勉強になります。
千利休の心情を現代の人間が想像するというのもいい展開でした。

中井貴一と佐々木蔵之介のダブル主演は実に良かったですね。
どちらも言わずと知れた実力派でどちらも大好きな俳優です。

特に最近になって個人的に中井貴一にはハマっています。
こんな偉そうな意見が野暮なのは承知ですが、年々演技が上手くなっているような気がします。
何か喋ってるシーンを見てるだけで惹き込まれてしまいます。

大好きな佐々木蔵之介もこの手の関西人役が最近多い気がしますね。
相変わらず上手でしっかりと良さが発揮されていました。

森川葵が最近お馬鹿女の子なキャラの役でプチブレイクしてる気がします。
この手の役をやるようになって急に好きになってきています。
可愛いです。

前野朋哉と森川葵のバカップルっぷりは良かったです。
この二人が意外にもストーリーに対して重要な役割を担っていました。

友近が水谷千重子みたいな雰囲気でした。
コントの演技力や朝ドラでの活躍で既に証明済みですが、上手いですねー。
もっともっと女優業で観たいですね。

その他の脇役は妥当に面白かったです。
とかく坂田利夫は意外とアリでした。

娯楽映画として妥当に楽しめました。


そんなわけで6点。
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