お前はまだグンマを知らない

お前はまだグンマを知らない
を観ました。


謎多き土地グンマに転校してきたとある高校生・神月紀（間宮祥太朗）は、登校初日からグンマの強烈なからっ風にフッ飛ばされそうになりながら必死にペダルをこいでいた。
そんな中、スイスイと自分を追い越す学校イチの美少女・篠岡京（馬場ふみか）に一目ぼれ！新たな学校生活にワクワクドキドキだったが、意図せずして「海がない」とグンマの事を小バカにしてしまった事で、皆の逆鱗に触れてしまう。
幼なじみの轟一矢（吉村界人）にも突き放され、憧れの篠岡にもグーパンチを見舞われ、挙げ句の果てにグンマのライバル、トチギ＆イバラキのヤンキーにも追われる身となり、神月の転校生活は混迷を極めていく…
果たして、神月はグンマで生き抜く事ができるのか？
そして、篠岡との恋の行方は？


水野格監督作品です。
元々漫画でテレビドラマでもやっていたようですが。
全然前情報無しで観に行きました。

初日に行ったので舞台挨拶をやっていて、その回のチケットも購入可能でしたが。
その次の回になると空くのでそっちにしてしまいました。

コメディだとはわかっていましたがかなりやりきった超お馬鹿コメディでした。

簡単に言ってしまえば群馬という存在感の薄い県のどうでも良い主張やら自慢をネタにした。
まあ分かる人が見るとめちゃくちゃ面白いって方向性のコメディです。
そのレベルが凄いので分からない人が観てもめちゃくちゃ面白かったです。
劇場はなかなか混んでいましたが、かなりの笑い声が上がっていました。

自分は神奈川出身なのでその辺のアイデンティティはわかりませんが、
U字工事等が北関東のコンプレックスやら知られざる名物やらライバル関係等をネタにしているので、
徐々にその辺を知るようにはなりました。
U字工事もカメオな感じで出ていますが、遠からず彼らの漫才の方向性と近いようなテイストです。

全国地図の中では比較的近所の群馬にも関わらず知らないことは沢山ありました。
パスタの量が多いとか上毛かるたっていうのがあるとかハーゲンダッツの工場があるとか。
「起立」「注目」「礼」「着席」という号令があるとか。
そういうのも面白おかしく教えてくれます。
茨城と栃木とライバル関係にあるとか。
イチイチ笑える小ネタ満載です。

序盤に高校の授業で先生が群馬の３Bを
BOOWY、BUCK-TICK、back numberと言っていて笑えました。
栃木ネタや茨城ネタもあって、
栃木のレモン牛乳にレモンが入っていないってのも笑えました。

ストーリー上全くいじられませんが、教室の壁の習字とかがイチイチ群馬的な小ネタでした。
”日本のキャベツ工場”とか書いてありました。

千葉県から来た主人公やその幼馴染が都道府県魅力度ランキングのビリ3県の争いの馬鹿らしさを訴えたり。
千葉県というだけでディズニーランドに行ったことあるの？と崇められたり。
格差が大きい関東での各県のあり方がよく表現されていましたね。

ちょっとネタバレですがチ◯コを出すだけで神々に影響を与えたりするのは良い設定でした。
クライマックスのパンチラも非常に素晴らしい設定だと思いました。
どんなに憎しみ合っている人間同士でも目の前でパンチラが見れたら仲直りしますよね。
なんともお馬鹿ですが、人間界の真理を突いたような素晴らしいクライマックスだと思いました。

主演の間宮祥太朗は最近急に出まくりで序列を上げている印象が強いですね。
そのうち菅田将暉みたいになるかも知れません。
最初から最後までずっと凄い変顔していて大変そうでした。
お馬鹿で弱々しく実に普通な男で、この物語の主人公の設定には良かったですね。

ヒロインの馬場ふみかはなかなか男好きする可愛さがあって良いです。
そこまで整った顔をしているとは思いませんが妙にそそられますね。
ドSキャラでちょいエロもあってモテない童貞感の強い男が憧れる女性像として王道的でした。

吉村界人は最近ちょいちょい見かけて、顔は全然知ってるけど何に出てたかは思い出せないくらいな感じで。
ただ今作では非常に重要な役どころで。
唯一冷静な役でツッコミ的な立ち位置でもあります。
それなのに怯えてチ◯コを出したりするのは親近感持てました。

いやはや塑像以上にめちゃくちゃ笑えるコメディでした。
群馬に関わりのない人々がコレを観てどの程度笑えるのかはわかりませんが。
冒頭とラストに重々しく語られるこのタイトルの通りの映画です。
まるで自分が言われているような気分になりました。

小ネタも多いしもう一度観たいくらいの気分にはなりました。
こんなに面白いならば舞台挨拶の回行けば良かったな、とちょっと後悔しました。


そんなわけで8点。