嘘は命のバロメーターさ
おしゃべりなカラスがそう言った
真実だけじゃ生きられないさ
電線の上で若い詩人がそう言った
見ててやるから早くやれよ
草の上で頭のいい時計がそう言った
僕は猿のように毛だらけの手で
太い線を引こうとしたけど
でも 僕にはやっぱりできなかった
評論家は白いワイシャツの腕をまくり上げ
一億の文字で一つのことを言おうとしていた
僕は陽だまりに腰をかけ
寂しさが歌う短い歌を宝石のように聞いていた
大人のように信じようとしたって駄目さ
テーブルの上で一億の顔がそう言った
僕は子どもの声で 話そうとしたけど
でも やっぱりできなかった
食い意地の張った猿がビスケットをかじってる
猿たちの庭に冷たい雨が降る
僕は年上の人が好きになり
彼女の木のように冷たい体を抱いた
窓の外で首の長い犬が吠えていた
僕は雨雲の中に靴下や下着を投げ込んだ
結局この世は男と女さ
おしゃべりなカラスがそうつぶやいた
僕はその夜 雨降る街を後にした
木々は寂しい手を広げ
夜空は白い爪を伸ばし
公園にはおまわりの影もなく
僕は犬のように足を折り曲げ眠った
僕はその夜不思議な夢をみた
それは何処か遠く山の中
流れのないよどみに浮かんで
泡達が何かブツブツつぶやいていた
今の時代に帆を張れば
何処かとんでもなところへ行きそうな
おしゃべりな風たちがそうつぶやいていた
from友部正人
おしゃべりなカラスがそう言った
真実だけじゃ生きられないさ
電線の上で若い詩人がそう言った
見ててやるから早くやれよ
草の上で頭のいい時計がそう言った
僕は猿のように毛だらけの手で
太い線を引こうとしたけど
でも 僕にはやっぱりできなかった
評論家は白いワイシャツの腕をまくり上げ
一億の文字で一つのことを言おうとしていた
僕は陽だまりに腰をかけ
寂しさが歌う短い歌を宝石のように聞いていた
大人のように信じようとしたって駄目さ
テーブルの上で一億の顔がそう言った
僕は子どもの声で 話そうとしたけど
でも やっぱりできなかった
食い意地の張った猿がビスケットをかじってる
猿たちの庭に冷たい雨が降る
僕は年上の人が好きになり
彼女の木のように冷たい体を抱いた
窓の外で首の長い犬が吠えていた
僕は雨雲の中に靴下や下着を投げ込んだ
結局この世は男と女さ
おしゃべりなカラスがそうつぶやいた
僕はその夜 雨降る街を後にした
木々は寂しい手を広げ
夜空は白い爪を伸ばし
公園にはおまわりの影もなく
僕は犬のように足を折り曲げ眠った
僕はその夜不思議な夢をみた
それは何処か遠く山の中
流れのないよどみに浮かんで
泡達が何かブツブツつぶやいていた
今の時代に帆を張れば
何処かとんでもなところへ行きそうな
おしゃべりな風たちがそうつぶやいていた
from友部正人
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