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ある少年の告白

2019年04月21日 | 映画
ある少年の告白
を観ました。


牧師の父(ラッセル・クロウ)と母(ニコール・キッドマン)を両親にもつジャレッド(ルーカス・ヘッジズ)は、大学生となった。きらめくような青春を送るなか、思いがけない出来事をきっかけに、自分は男性が好きであることに気づく。
意を決して両親にその事実を告げるが、息子の言葉を受け止めきれない父と母は困惑し、動揺する。
父から連絡を受けた牧師仲間が助言をするため、続々と家へやってくる。
父は問う。「今のお前を認めることはできない。心の底から変わりたいと思うか?」
悲しげな表情の母を見て、ジャレッドは決心する。「ーーはい」
母が運転する車に乗り込み、ジャレッドは施設へと向かう。
「治療内容はすべて内密にすること」細かな禁止事項が読み上げられ、部屋へと案内される。
白シャツの同じ服装の若者たちが弧を描くように椅子に腰を下ろしている。
「救済プログラムにようこそ!」12日間のプログラムが始まったーー。


ジョエル・エドガートン監督・脚本・出演です。
かなり好みの俳優です。
監督としては1作めのザ・ギフトはなかなかインパクトありました。

この人は俳優監督としてはかなり独特で、前作も怪しすぎるストーカー役をやっていましたが、
今作もなんか怪しい施設のボスでした。
自分の作品で自分をいい役にキャスティングしない人はこの人くらいしか思い浮かばないかもです。

テーマは典型的なLGBTの苦悩やら社会的な問題です。
アメリカにはこういう矯正施設があるのですね。
それの社会問題的なことをメインテーマにしていますが、そこでのやり方やらそもそもの存在意義の問題を扱っていますが、
正直日本ではまた事情が違うのでピンとこない設定ではありました。

映画は終始静かな演出の会話劇がメインでなかなか眠たくなるパターンでした。
生々しい会話やら衝突、場面場面が明確な善悪やら解決やらにたどり着かない歯がゆさがあり。
決して主人公側に傾倒することもなく、どちらの言い分もわかるって感じのシーンが多く、ハイセンスでした。

この手の映画にしては生々しいベッドシーンも無く主人公は露骨なゲイではなくちょっと悩んでいるゲイってのがいい感じでした。
君の名前で僕を呼んで的な要素を感じました。

実話ベースだけあって矯正施設の問題だけでなく、ゲイを抱える家族の苦悩を深掘りしている面が強く。
映画らしい過剰に大きな問題も無いって感じです。
一応クライマックスに映画らしい事件はあれど、必要以上にそこをフォーカスすることもなく結構サラッと流していました。

主演はルーカス・ヘッジズです。
ここ数年、僕が非常に高評価した作品に多々出ているので自ずと評価は高いです。
そんな彼が今のキャリアで出会うには相応しい役だと思いました。

昔は大好きだったニコール・キッドマンはすっかりオバサンになりましたがちゃんとシフトして良い母親キャラになってますね。
この世代の人では圧倒的に美人ですし気品漂う雰囲気も好きです。

主人公と衝突する父親役をラッセル・クロウが演じていました。
すっかり太ってこういう一歩下がったポジションから権力発揮する役どころが多いですね。

ジョエル・エドガートンは今作もいい人では無い役でした。
監督なのに自分を独特の役にキャスティングするのは良いインパクトです。
掴みどころがない雰囲気を出すのはこの人の武器ですね。

他にも若くて有能な若手が出ていて、その点でも今作は後々評価されそうです。
ちょっとピンとこないテーマ、展開でしたが作品自体はハイセンスでした。


そんなわけで6点。
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