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パピヨン

2019年06月27日 | 映画
パピヨン
を観ました。


〈1931年、パリ〉「狂乱の時代」の終焉。
胸に蝶の刺青を入れていることから “パピヨン”と呼ばれた男は、無実の罪で終身刑を言い渡され、フランス領ギアナのデビルズ悪魔島に送られる。
周囲を海に囲まれた、この島は脱出不可能な場所として知られ、囚人達は人権をはく奪され、過酷な強制労働を科せられていた。
絶望と死が支配する場所で、自由と希望を求めて足掻くパピヨンは、志を同じくする紙幣偽造の天才ドガと出会い、やがて二人は奇妙な友情で結ばれてゆく…。


マイケル・ノアー監督です。

ちょっと油断して見てしまいましたがかなり壮絶な映画でした。
自分が今まで見てきた映画の主人公の中でも相当上位に来るしんどい人生を送っている主人公でした。

かなり凄まじい物語ですが実話のようです。
しかし逆にこんな壮絶な物語は実話ベースじゃなきゃ描けないでしょう。

序盤の僅かなハッピーな描写。
金庫開けの泥棒稼業で意中の女性をものにした途端に無実の殺人罪で問答無用に投獄されて。
理不尽で留置場の段階で環境も悪いことから島に行く前から脱獄を決意して最初から迷わず準備します。
この時点でいわゆるショーシャンクの空に的な雰囲気を感じます。

そしてそこからかなり過激な囚人生活の描写です。
脱獄に向けうまく立ち回ろうとしますが、その最初として弱いけど金を持っている囚人を仲間にします。

うまく計画が進んでいるようで、ショーシャンクの空にだったりプリズン・ブレイクな雰囲気で物語は進みますが。
もうほぼ成功なのに、こんなに苦労したのに、と言いたくなるくらいにどんでん返し的に失敗します。
失敗する度に罪と罰が重くなりその描写がめちゃくちゃ辛辣です。

そしてこの映画が最も残酷なのは、最近個人的に最も残酷な演出ってコレだと思うのですが。
パーンと数年後とかに話が飛んでしまうところです。
数年後は更に権力に屈して絶望的な状況で、時間の残酷さが相当伝わります。

今度こそハッピーエンドと思いきやそれも駄目だったり。
見ていてめちゃくちゃ疲れるほどに辛い映画です。

ただそんなあまりに辛辣で残酷で長い月日の中でも僅かな希望は、友人との絆ですね。
最初は利用するだけで全く情が無かったのにお互いが助け合っている長い年月の中で非常に数奇で強い絆で。
それはなかなか感動的でした。

映画上級者向けな本格派な品質で、それでいてストーリー的に娯楽性もあって。
ちょっと残酷な描写もありますが非常に見応えがあります。

主演のパピヨンはチャーリー・ハナムが演じていました。
コレは相当凄まじい役どころでした。
最初の普通の若いチャラいリア充な男から囚人となりどんどん衰弱していったり老いていったり。
見た目の変わり方もなかなかですし独房での極限の表現は非常に見事でした。
この人の演技がもう感動でした、俺アカデミー賞ノミネートですね。

一番の脱獄仲間をラミ・マレックが演じていました。
ボヘミアン・ラプソディで世間的な知名度や評価を一気に上げた印象ですが。
今作は偽造というあまり悪人っぽくない罪であり、お金は持っているけどヘタレで足手まといなキャラでした。
ちょっと過剰な足手まといっぷりにイライラもしましたがなかなか奥深い演技でした。

主人公の恋人役をイヴ・ヒューソンが演じていましたがこの子は可愛くていいです。
出番がちょっとでしたが。

脱獄モノにはずれはほぼ無い気がしますが、コレは中でも上位ですね。
かなり印象に残る大作でした。


そんなわけで8点。
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