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ミスター・ガラス

2019年01月25日 | 映画
ミスター・ガラス
を観ました。


フィラデルフィアのある施設に3人の特殊な能力を持つ男が集められ、研究が開始された。
彼らの共通点はひとつ―自分が人間を超える存在だと信じていること。
不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド(ブルース・ウィリス)、24もの人格を持つ多重人格者ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)、そして、非凡なIQと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つ〝ミスター・ガラス″(サミュエル・L.ジャクソン)…。
彼らは人間を超える存在なのか?最後に明らかになる“驚愕の結末”とは?


M・ナイト・シャマラン監督作品です。
時々スベっている印象もありますが実力者だと思っていますしかなり独自の世界観を作って来たと思います。
それが遂に実を結ぶかのような。
自身の別作品同士のコラボレーションです。
シャマラン監督的なアベンジャーズな感じでしょうか。

スプリットの時にこの作品の予告が含まれていましたが、アンブレイカブルは18年前の作品で。
この期間を経ての続編はなかなかです。
しかも時系列がちゃんと18年後って感じでした。

過去の作品の若いブルース・ウィリスのシーンなんかも上手くはめ込んでいました。
この辺の映像技術のクオリティは流石のシャマラン監督です。

冒頭からなかなか引きの強い展開、この辺はスプリットの作風にアンブレイカブルがお邪魔してる感じもあり。
ただ徐々に目線はアンブレイカブルに移行していきます。
そして結構びっくりすることにいきなりみんな捕まって監禁されそこで研究されます。
もともと捕まっていたミスター・ガラスも含めて彼らは何者なのか?という科学的メスを入れていく展開は面白かったです。

そして中盤以降はタイトル通りミスター・ガラスです。
天才頭脳のミスター・ガラスにけしかけられアンブレイカブルのデヴィッドに挑むスプリットのビースト。
ただそんな特殊な3人まるごと監禁し研究する謎の集団と3人の対立の構造もあり。
デヴィッドは正義の味方のように思えるのに何故か悪者寄りの扱いをされる理不尽さがあります。

タイトル通りミスター・ガラスが主人公なのでケヴィンは存在感はあれどその駒になり、デヴィッドに至ってはなかなかの脇役ポジションでした。
ブルース・ウィリス演じたヒーローをこの扱いで描いたのはなかなかのことだと思います。
それでもそのブランド力を落とすこともなく。

流石のシャマラン作品なので、もちろん醍醐味のどんでん返しは健在です。
ただ今作はそれが何層構造かになっていて素直にびっくりしました。

そしてびっくりな結末と予感に満ち満ちたエンディング。
説明は少ないですが世界が大きく変わっていく予感があって個人的にはかなり好きでした。

作中のとある映像手法がなんの疑いも無いくらいに自然に使われています。
現在の映像作品を見ていれば特別なことでもないので何か特別な意味を持っているとは思いませんでしたが。
クライマックスの回収時にそれがガッツリ使われていてかなりお見事だと思いました。

アンブレイカブルとスプリットの複雑な設定等が説明も無く普通に使われるので、両方見ている必要がありますね。
その辺の説明は無いのでターゲットはそれらの作品を見てきた人だと思います。

主演のサミュエル・L・ジャクソンは18年経っても変わらずミスター・ガラスでした。
アンブレイカブルの時に味方と思わせて最大の黒幕というどんでん返しを仕掛けていましたが、今作もまた違った仕掛けをしています。
普通の人より何杯も弱いひたすら壊れやすいのにスーパー頭脳で悪を実行するという。
あまりに不幸な生い立ちとその賢さ故に彼のやることが悪いことなのか?世直しなのか?という不思議な提示です。
同情する要素は大いにあり不思議と感情移入できます。

アンブレイカブルのブルース・ウィリスは流石の存在感でした。
かなりいい年齢になってきていますが、ガッツリアクションでなかなかのバトルをしてました。
かっこいいしいい体してるしまだまだアクションいけますね。

ジェームズ・マカヴォイはスプリットの時のまま。
スプリットでは時間を使って多重人格を描写していましたが、今作は脇役なのでなかなか短い尺で表現する必要がありました。
自分はスプリットを観ているので全然わかりましたが、観ていない人にはどの程度伝わっているのか?というのは気になりました。
ただ相変わらず見事な多重人格っぷりでした。
女性の人格になった時は不思議と女性に見えてきます。

アンブレイカブルでブルース・ウィリスの子ども役を演じたスペンサー・トリート・クラークがそのまま成長して出ていました。
当時子役だった役者がその面影まんまの大人になっていてそのまま息子役を演じていたのは素晴らしいと思いました。
このキャスティングはアンブレイカブルを見ていた人にとっては嬉しい要素でかなり素晴らしい要素でした。

更に続編を作って欲しいところですが難しそうな終わり方でした。
ただ続けられそうな要素はあるので見てみたいです。

シャマラン監督の実力を示した映画だったと思います。


そんなわけで8点。
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