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64-ロクヨン-前編

2016年05月12日 | 映画
64-ロクヨン-前編
を観ました。


わずか7日間で幕を閉じた昭和64年、その間に起きた少女誘拐殺人事件。
天皇崩御のニュースにかき消され殆ど報道されなかった。
そして14年後、時効を1年後に控えた年。
かつては刑事部の刑事として64の捜査をしていた三上は広報官として記者クラブと戦う日々。
そんな中、警察庁長官が64の被害者遺族を尋ねるということで再び三上は動き出す。


瀬々敬久監督作品です。
今まであまりピンときてなかった監督です。

非常に高評価な横山秀夫原作なのでそれなりの期待値で観てみました。

流石の大きな企画映画だけあって高品質で面白かったです。

相当引き込まれる見事なサスペンスです。
物語が素晴らしすぎますがそれを見事に重厚に仕上げていました。

感情的なやり取りも多くかなりストレスを感じる展開の連続でした。

そして無茶苦茶な豪華キャストでした。
綾野剛、榮倉奈々、瑛太、永瀬正敏、三浦友和、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆などなど・・・。
彼らが皆見事な高品質な演技をしていたので余程監督の演出が良かったのでしょう。

佐藤浩市演じる三上広報官があまりに不憫で不幸で。
家庭では消息不明の娘に疲弊しきっていて、仕事では記者クラブと上司とのあまりに相反する理不尽な要求の板挟みになって。
他所でも警察内部の政治を描いた作品は多々ありましたが、ここまで本格派で辛辣に描いている作品は観たことないですね。
流石の横山秀夫作品です。

滝藤賢一演じる上司が理不尽過ぎて。
そして相反する要求をする瑛太が攻撃的過ぎてかなりのストレスでした。

しかしあまりに三上が辛い状況にあるので、コレは純粋に三上が仕事できないんじゃないか?父親として出来が悪すぎるんじゃないか?って気分にもなりました。
そういう目で見ると諸々ちょっと納得しました。
そういう見方しないと結構辛辣で辛い状況の連続です。

無茶な仕事を振られ、かつての仲間も協力してくれず。

しかし途中からびっくりする見事な展開でした。
誘拐殺人事件の際に実は裏で隠された事実があることに三上が気づいていくのですが、そこはかなり引き込まれます。

そして前編のクライマックス、かなりの熱量のリベートが行われ、全てをかけてそれに挑む三上がようやくちょっと上向きそうだったのに。
それらが全てチャラになってしまうくらい衝撃的な終わり方をして後編につづくです。

作りとしてはかなり見事だったと思います。

近年、ここまで壮大で大きな企画をこの品質で描いた作品は珍しいですね。
日本映画史に残る映画だと思います。
恐らく来年の日本アカデミー賞を賑わすと思います。

後編が待ちきれず原作を読みたいくらい引き込まれました。


そんなわけで8点です。
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