メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

君の膵臓をたべたい

2017年07月28日 | 映画
君の膵臓をたべたい
を観ました。


高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった【僕】(小栗旬)。
彼は、教え子と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していくー。
膵臓の病を患う彼女が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、【僕】(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすことに。
だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて、終わりを告げる。
桜良の死から12年。
結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子(北川景子)もまた、【僕】と同時に、桜良と過ごした日々を思い出していたー。
そして、ある事をきっかけに、桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る2人ー。


月川翔監督作品です。
最近ちょいちょい青春純愛モノで見かける監督ですがそんなに評価したり意識したことは無かったです。
ただこの作品は予告からなんか良さそうだな、と思ってました。
なので初日に観に行ってみました。

めちゃくちゃ泣きました!!
素直にかなり大号泣してしまいました。
今年観た映画では一番泣きましたね、人生でも相当上位に来るくらい泣けました。
いやはや、なんとも切ない感動モノでした。

テイストは”世界の中心で、愛をさけぶ”に近い気がしますね。
展開や設定や見せ方、映像の質感もこんなだった気がしますね。
昔アレを劇場で観た時、悲しくて帰れなくて友人の家にそのまま行ったことを思い出しました。

ラスト、このタイトルに涙する
みたいな宣伝文句でしたが、結構序盤から何度も泣いてしまい。
終盤は滝のように涙を流していました。
一人客でこんな泣いてたら怪しまれると思って焦りました。
観終わった今となっては”膵臓”ってワードだけで泣いてしまいそうです。

天真爛漫でキラキラしていてスーパーポジティブでクラスでも一番目立つ女子と、
根暗で文学ヲタクでクラスでも一番目立たない男子との交流。
恋愛と呼んで良いのか難しい輪郭がはっきりしない関係、でも自分には確実に恋愛でした。
もうすぐ死ぬのにあまりに独特に残された時間を過ごす桜良、この手の女の子って男から見るととことん不思議て掴めなくて。
でも大きな感動を作り出すには非常に効果的な設定だと思います。
最近観た”僕らのごはんは明日で待ってる”と少々重なる雰囲気もありました。

死ぬという設定ですが、桜良のキャラがあまりにキラキラしていて元気いっぱいのので、
コレ本当に死ぬ展開に向かうのかしら?どうやってそこを描くのだろう?
と疑う程でした。
それくらい存在感の強いヒロインでした。

図書館、図書の整理という独特な設定がありますがそのおかげでちょっとしたインテリ感、豆知識感、文学的な雰囲気があります。
ちょっとしたやり取りにそういう文学的なハイセンスさを感じました。

おとなしい男子を無理やり引っ張り回す女子の構図ですが、
とにかく放っておいて欲しい男子に無理やり色々聞くのですが、
過去一人だけ好きになった女性の話をさせられるシーン。
好きになった人は何にでも「さん」を付ける人だった、世の中の全てを敬っている様に思えてそこに惹かれた、
というシーンが素敵でした。
そしたらその話を聞いた桜良が「思ったより素敵な話だったから」とうるうるするのですよ。
かなり序盤ですが、僕も「わかるわかる!」となってそこでもう泣けました。
人を好きになるのってそういう極度に優しい理由だったりするんですよね。
自分が子供だった頃の好きな人を思い出させるような素晴らしい繊細さだと思いました。
勿論告白することもなくクラスの人気者の男子に持って行かれたというオチも含め素晴らしい件でした。

その後の2人の秘密の旅行とか病気の彼女を励ますようになっていく様とか。
非常に丁寧な描写で、なんというかノーミスって感じで萎えるポイントもなく。

最初からいい雰囲気で、ちょっと背中を押されたら涙が出てしまいそうな作品ですが、
その状態をずっと保持する素晴らしいクオリティでした。

主演の浜辺美波はまだ子役的な役をやっていた時も凄い演技が上手だなと絶賛したことがありますが、更に素晴らしいですね。
最近だとあの花のめんま役や咲の主演が印象深いですが。
相当天性のものを感じますね。
見た目も可愛いし今後時代が来る予感がプンプンします。
今作では病気でありながらとことん明るい役でしたがその不思議っぷりも見事でした。
草食系な男子はこの手の女の子に一生ものの記憶を刻まれるものです。
そういうのがわかって作られた物語ですね。
ちょっと妖艶なエロティックな感じも良かったです。
私達が出会ったのは偶然でも運命でもなく選択だ、というセリフも泣けました。

北村匠海は個人的にヤンキー役のイメージが強いのですが、今作のモジモジ男子も素晴らしかったです。
ここまで卑屈では無いですが、方向性としては自分と近くて共感できる要素が多かったです。
まあ、クライマックスに泣かずには耐えられない見事な泣きの演技がありますが、めちゃくちゃ最高でした。

大人時代の主演の小栗旬も素晴らしかったです。
元々大好きな小栗旬ですが、そもそも最初はこういうソフトな役が多かったですよね。
弱々しい系の役は意外と彼のルーツな気がします。

北川景子は出番が少なくて役に入るの難しそうですが、その短い中でも非常に感情的な役で上手でした。
相変わらず美人で花嫁姿も最高でした。

それにしても久々にめちゃくちゃ泣ける純愛モノでした。
しばらく後遺症があるくらい悲しかったですね。
こういう青春の消せない強烈な1ページ的な物語はしんどいですね。

もの凄くハイセンスな映画というわけでは無いですが、万人受けするタイプの映画だと思いました。
社会現象になっても良さそうな気がしました。

最初は確かに、トリッキーなタイトルだな、と思いましたが。
今ではこのタイトルを口にするだけで涙出てきてしまいます。
それくらい重くて深い言葉ですね。


そんなわけで9点。


もう一度見に行こうと思います。
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