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泥棒役者

2017年11月21日 | 映画
泥棒役者
を観ました。


小さな町工場でまじめに働いている大貫はじめ(丸山隆平)は、気立てがよくて優しい恋人の藤岡美沙(高畑充希)と、ささやかながらも幸せな同棲生活をおくっていた。
迎えた美沙の誕生日、久しぶりに出かけようと待ち合わせていたところ、はじめの前に思いもよらない人物が現れる。
かつて、泥棒稼業に手を貸して、ともに盗みをはたらいていた畠山則男(宮川大輔)だった。出所したばかりで働き口がなく、再び盗みを計画した則男は、鍵開けの名人だったはじめを仲間に引き入れる機会をうかがっていたのだ。
即座に断るはじめだったが「美沙に泥棒だった過去をバラす」と脅され、泣く泣く、とある豪邸に忍び込むことに。
そこへ、不意に訪問者が玄関に入ってきた。轟良介(ユースケ・サンタマリア)と名乗るセールスマンは、はじめを“豪邸の家主”とかん違いして、油絵の教材セットを買ってほしいと熱烈なセールストークを展開し始める。
何とか追い返したのもつかの間、今度は“本物の家主”である絵本作家の前園俊太郎(市村正親)がリビングに現れた。
死角にいた則男はうまく身を隠すが、はじめはバッチリ目が合ってしまう。
ところが前園ははじめを“出版社から来た編集者”と思い込み、その前提でどんどん話を進めていく。
成り行きで編集者になりきり、何とか場を乗り切ったはじめだが、今度は屋敷にやってきた本物の編集者の奥江里子(石橋杏奈)に絵本作家の前園とかん違いされてしまう。
編集長の米村真由美(峯村リエ)よりつかわされた奥は、前園と初対面だったのだ。今度は前園として立ちまわらざるを得なくなる、はじめ。
そんな中、はじめは、幼少期に大好きだった絵本「タマとミキ」の作者が前園だと知る。
早くに両親を亡くして、孤独の中、手先の器用さを重宝されて泥棒稼業の道に進んでしまったはじめにとって、「タマとミキ」は唯一の心のよりどころだったのだ。
前園を見る目と態度をあらためたはじめは、「先生ほどの才能であればパッと企画も書けるはず……!」と編集者の役を演じながら、知ったような口をきいてしまう。
だが、本当に書かせたいなら作家を信じて待ってほしいと諭され、ますます心酔。しかし、待てども前園の企画は仕上がらない。
いっこうに屋敷から逃げ出せず、状況ごとに様々な【役】を演じ分けてきたはじめにも、だんだん無理が出てきてしまうように。
しかも、クローゼットに身を隠している則男はなおも虎視眈々と金庫の中身を狙っている様子。
そこへ、前園家の隣に住む自称ユーチューバーの高梨仁(片桐仁)も訪ねてきて、はじめを取り巻く様相は、いっそうカオスに。
はたして、はじめは自分の正体を隠したまま、自分のことを信じて待つ恋人の美沙の元へ無事に帰ることができるのか…?!


西田征史の脚本・監督作品です。
観た後調べたのですが、元々は片桐仁がやってた舞台なのですね。

予告編の通り、泥棒が編集者やら作家やら先生やらに間違われ、
その勘違いをさせ続けながら何とか極限のピンチを乗り越えようとするドタバタコメディです。
わかりやすく言ってしまえばアンジャッシュのすれ違いコントです。
それを長編にして大掛かりにした感じでやってることはかなりそれです。

前半はそんな感じでアンジャッシュコントな展開ですが、
後半は結構キサラギっぽい感じになります。

みんなが抱えるちょっとした問題を洞察力鋭い主人公が見抜いて、
その解決法のようなものをさり気なく提供します。
おどおどモジモジした主人公なので嫌味もなくて優しい感じで。

そしてみんなが徐々に一つの目的に向かう感じになり、
密室劇ながら狭い状況でどんどん物語を展開させるのは見事でした。
正直、この手の設定は大好物です。

そしてクライマックスには素敵なからくりが暴かれて。
優しくほんのり感動な素敵な気分にさせてくれます。
ただこの手の物語ではもっと巧妙な仕掛けがあるものも多々あるので、
その点ではどんでん返しといいますか、仕掛けは弱めでした。

もうワンランク上のし掛けや多重構造の様な仕掛けであれば、
かなり最高峰の作品になれそうな雰囲気はありました。

主人公は丸山隆平でしたが、この子は元々なかなか高感度高いです。
関ジャニ∞はメンバー多いのにそれぞれが結構いい作品で主演しますね。
もっとコテコテ関西人役かと思ってましたが、全然違ってました。
モジモジ自分の意見をはっきり言えない大人しい気の小さい男でした。
それにしては不自然なほどに洞察力はありましたが、
それが前面に出ているわけでもないので木にしなければ大丈夫でしょう。

絵本作家は市村正親でしたが、彼のナチュラルな要素がふんだんに活かされていた感じですね。
面白いドタバタっぷりでした。

ユースケ・サンタマリアが恐ろしく空気を読めないグイグイのセールスマンで。
しつこいですが、ストーリーを転がす重要な役目でした。

石橋杏奈は相変わらず可愛いくて良かったです。
英語力を活かすような役どころで、強気でツッコミ役的なポジションでもありました。

宮川大輔が作中では唯一の悪役で、この手の作品には不似合いなほどガチな悪役でした。
もう少し柔らかい悪役でも良かった気もしますが、かなり憎らしい役でした。

クレイマーなお隣さんが舞台版で主演してた片桐仁でした。
ユーチューバーという設定でした。
まあ、もう少し笑いを取れても良さそうですが、さほど面白くはなれて居ませんでした。

高畑充希はホント演技派だと思いますが、今作は可愛らしい女の子で。
同棲カップルの彼女っぽさを見事にだしていました。
男がみんな好きになってしまうようなタイプの女性像でした。

みんながやった細やかな行動がそれぞれの役になって世界の縮図を作っている様な作品でした。
好みですが、もう少し巧妙だったら良かったです。
この手の作品を観すぎたからかも知れませんが。

小野寺の弟・小野寺の姉との繋がりがあって、
あ!あの監督さんの映画か!ってなりました。
正直そんなにヒットした映画では無いと思いますが、自分の作品をこうして使っていくスタイルは嫌いじゃないです。


そんなわけで8点。

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