tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

伊豆大島 1日目(島一周ドライブ)

2015-04-18 23:00:00 | 旅と散歩と山登り
9:33 神奈川県横須賀市、久里浜港。ここからジェットフォイルで伊豆大島を目指す。東京・竹芝桟橋発の船(画像ピンクの船)がここ久里浜港に寄るのは土日祝日のみ。東京湾の対岸、房総半島・金谷行きの東京湾フェリー(ちょうど出航したばかり、画像の白い船)のターミナルビルのフロアを間借りするような形で、この船の受付の机が出ていた。ジェットフォイルの乗り心地は、佐渡に行った時と同じ。あの時と同じく、今日の乗船時間も1時間くらい。
【久里浜港9:35―(東海汽船1220便)→10:35大島・岡田港】

10:47 大島・岡田港到着。大島の船の発着港は、その日・その便によって、東の岡田、西の元町のどちらかになる。当日までどちらの港に着くかはわからない。「風向きや海況による」と言うけれど、今どきの船舶・航海技術で、そんな事情に左右されることがあるのかなあ?と思ってしまう。案外、岡田と元町、両港町の経済振興を鑑みて、敢えて「どっちつかず」の運用にしているんじゃないかと邪推してしまう。何しろ、船が着かない方の町は客も来ないわけで、商売も大打撃を受けてしまうだろうから。港の出口で待っていたレンタカー屋のワゴンに乗って、数分でレンタカー屋の事務所へ。この事務所は岡田・元町両港、そして大島空港の中間地点にある。ネットで見つけた格安のレンタカー。軽自動車を明日の15:00まで借りて5500円とはかなりの破格。後で車体を見たら、ドアに「三井のリハウス 海浜幕張店」と消された跡があって笑ってしまったけど。もちろん、何の問題もありません。

11:17 今朝は6時に起きて朝食も取らずにいたのでお腹が空いた。レンタカーで岡田港へ戻り、ターミナルの食堂で早めの昼食。想像以上にどっさりのりが乗っていて美味しかった「島のりラーメン」と、唐辛子醤油につけた魚の切り身で握る大島名物「べっこう寿司」を食べる。首から提げた画面端末を操作して仕事中であろう作業着姿の男性が、カウンターでジョッキのビールを注文して、口を付けながら去っていった。島のお仕事なら、そんな自由もありか。

島を周回する道路を時計回りに車を走らせる。今日は「レンタサイクルを借りてサイクリング」という案もあったのだが、島内の道路は思いのほかアップダウンが激しく、自転車だったらヘロヘロになってたね、と同行者と語り合う。
12:05 大島公園。椿園があるが、椿のシーズンは終わっていて閑散としている。それでもまだ咲いている品種もあったが。椿以外にも、名は知らぬが、南国風のこんな見事な赤い花もあった。

吹く風はまだうっすら肌寒いけど、なんだか南の島のムードがある。島の保育園児たちが遠足に来ていて、後ろの木陰にはお弁当のレジャーシートが広がり、あたりは賑やか。

入場無料の動物園が併設されている。鳥たちがいる大きな檻に、二重のドアを開け閉めして入る。色鮮やかなオウム…と思いきや、大型のインコだそうだ。

ラクダ。園内にはほかにもヤギ、ロバ、サル、レッサーパンダ、ゾウガメなどの動物たちがいる。保育園児たちが、持参したビニール袋から明日葉を出して与えている。ここでは葉物野菜は自由に与えてもいいそうだ。島の名物である明日葉は、文字通り「動物にくれてやってもいい」ほど島のそこら中に自生しているのだろうか。だが、翌日のハイキングでもそれらしき葉は路傍に見つけられなかった。

13:32 島の周回道路を外れ、内陸の細い山道を分け入っていくと、荒涼とした「裏砂漠」が。

この三原山の噴火が作り上げた砂漠だ。山から吹き下ろす風が強烈。体が倒されんばかりの勢い。

14:03 車でさらに南下。筆岩。数十万年以上前の古い火山の中心部にあった硬い岩が、周りを波で削られて、このような尖った形で残ったそうだ。

島の南端、波浮の集落へ出ようとするが、細い路地を進むと「この先 車入れません」の看板にぶつかってしまい、行き方がわからない。
14:23 ひとまず、港を見下ろすポイントへ。自販機で買ったコーラで喉を潤しながら、案内看板で道を確認する。9世紀初めの噴火でできた火口が湖となり、江戸時代の大津波で火口壁が崩れて海とつながり、最後は人の手で岩が崩されて、このような港となったそうだ。

港まで下る。海面がほとんど岸壁と同じ高さで、波もほとんどない。旧火口壁に取り囲まれているゆえの安定感か。雰囲気のある路地を行く。

港から崖を少し登ったところにある旧港屋旅館。

波浮はかつて、遠洋漁業の中継港として大変な賑わいを見せたという。2階に上がると宴会の様子が再現されていた。なにしろ客で大混雑だったようで、人の行き来が妨げられないようにと、階段が廊下の前後2か所に設けられていた。

さらに崖を登って台地の上に出る。大谷石の塀で囲まれた旧甚の丸邸。大谷石は島で採れるものなのだろうか、それとも、贅を尽くし、本土から船で重たい石をわざわざ取り寄せたのだろうか。島を旅していると、「物はどこから取り寄せるのか」ということについて、思いを馳せずにはいられない。

15:52 一人旅だったらまず立ち寄らないだろうな。同行者が好きだという、貝を集めた博物館「ぱれ・らめーる」を見学。美しいもの、グロテスクなもの、砂礫同然の細かいもの…貝も様々だ。東京都水産試験場の職員だった草苅正さんという人が、こつこつと収集したらしい。寄贈品も合わせて、その数5万点だって。なんたる執念。実際に貝に触れられるコーナーにて。見た目より重い貝もあって驚く。訪れた見学客は僕らだけだった。

島の西岸を北上ドライブ。20kmほど南西にある利島が見える。富士山のようなシルエット。

16:17 巨大な“バウムクーヘン”こと、地層大切断面。道路の拡張工事で現れたという。約2万年分の噴火の積み重ねでできたそうだ。今日の見学箇所はここまで。元町の観光協会で東京都の宿泊補助金・1泊3000円分(昨年の土砂災害からの復興を目的とした制度)の割引券をもらい、三原山中腹の宿へ。

17:03 宿泊先・大島温泉ホテルの部屋の窓から見た三原山。山までは平原が広がっている。風がとても強く、夜中には窓をガタガタと鳴らした。「離島の寂寥感」をおぼえずにはいられなかった。

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