峠を越えて - Get over the Pass -

自然を愛する気持ちを忘れずに

台湾2日目:台南日帰り旅

2011-08-09 | 旅先
今日は台湾高速鉄道(高鉄)の台湾版新幹線に乗って、訪台の第3の目的地・台南に行ってきました。



高鉄のホームは台北駅の地下にあり、白色の車体にオレンジ色ラインの入った列車が台湾版新幹線です。車両はN700系ならぬ700T系で、もちろん日本の新幹線車両の改造版です。最近何かと話題の某国のパクリ新幹線ではなく、こちらは正々堂々と日本製であることを公言してるので、安全性に問題ないです!



10:00発の左営行きに乗車。列車はこだまタイプの各駅停車。台南は左営の一つ手前の駅で、1時間45分かかります。



上が台湾新幹線のビジネス車、下が東海道新幹線のグルーン車。シートの色と形状がちょっと違うが、車内の作りは殆ど同じ。



横4列シートのビジネス車(グリーン車)で指定席です。これでTWD1,780(=約¥4,800)。同じくらいの距離の東京-名古屋間ならグルーン車で¥15,000くらいやろか? やっぱり安い。



しかもおしぼりの他、お菓子が2つにコーヒーか紅茶、ミネラルウォーターまでサービスで配られました。



台南駅に到着。空は南国の強い日差しで眩いくらいで、日本と比べ物にならないほど本当に日差しが強い。そもそも台南は北回帰線より南やから、当然のごとく熱帯やー!

高鉄の台南駅は郊外に新しく造られているので、隣接する在来線の台湾鉄道(台鉄)に乗り換えて、台南市内に向かいます。高鉄と台鉄、営業母体が違うんやろか? 切符が共通になってないし、それに台鉄の駅名は(忘れてしまったけど)別名。駅前でちょっと迷ってしまった・・・
とにかく無事に台鉄のディーゼル車に乗って台鉄の在来の台南駅へと・・・(実は迷ってうろうろして30分に1本しかない列車の発車時間に間に合わなくなり諦めてたら、係員がこの列車を止めて待ってくれてたみたい!)

台南駅前からさらにタクシーに乗ること15分、目的の安平に到着!



安平は台南の西にある海に面した街で、その昔16世紀にオランダ東インド会社が東アジア進出の足掛かりと台湾の植民地化のために造営した街です。その当時ここは砂州の先端部にあたり、海上の見張りのために城塞が築かれました。その名残が、ここ安平古堡というわけです。ただし当時は、ゼーランディア城と呼ばれていたそうです。

さらに安平の街自身も当時は「大員(ターユェン)」であって、これが今日の台湾(タイワン)の語源になったと言われてます。



安平古堡の敷地内に、鄭 成功の像がありました。彼は台湾の祖ともいうべき人物。



オランダ時代のゼーランディア城としては、ごく僅かの外壁しか残ってないようです。これはその1つです。



博物館の展示物にこんな地図がありました。おそらくオランダ植民地化時代かその前かよく分かりませんが、今の台湾らしき島に「I. Formosa」と記されてます。これはポルトガル語「Ilha Formosa」で美しい島、つまり台湾の別名「美麗島」のことです。

それともうひとつ面白い地名があります。「Leser Lequeo」です。これはおそらく、15~16世紀に東南アジアで知れ渡っていたポルトガル語由来の「レキオ」という島やないかと思います。レキオはリュウキュウが変化したもの。つまり「小琉球」です。
この当時、大陸の王朝(宋・明など)からみて東シナ海に浮かぶ島々の総称が琉球であり、そのうち現在の沖縄諸島が「大琉球」、台湾が「小琉球」と呼ばれていました。面積的に小さい沖縄の方が「大」なのは、おそらくこの地にすでに王朝が形成されつつあったことが大きな要因ではないでしょうか? これに対し台湾には少数の原住民が住んでいただけで、大陸王朝は台湾に対して大した関心を持ってなかったのかも知れません。ちなみに現在、台湾の南に小琉球という島があります。

というわけで話がだいぶ逸れましたので、安平古堡跡を後にしましょう。



すぐ隣にこんなお寺がありました。この派手さ加減はやっぱり南国ですね~。「天后宮」という名前みたいですが、「聖母」という文字が正面から見えました。まさか、聖母マリア???

お昼を屋台で食べて(魚フライの餡かけが入った麺)、旧市街(老街)をぶらついてみました。





街のあちこちに、「蝦餅」と銘打った「えびせん」屋さんが一杯あってよく目立ってました。そのうちの一つです。老街のお土産屋さんで一袋だけ買おうとしたら、お店のオバちゃんに無理やり抱き合わせで余分に買わされてしまった。何処の国も「オバちゃん強し」です。



ぎょっとする光景! 食堂屋台の前に、食用の鶏と一緒の籠に入れらてたハトを目撃! やっぱり食用なんやろなあー・・・



暑い中、へとへとになりながら台南駅に戻ってきました。古い駅舎の背後に近代的な高級ホテルが出現。なかなかのアンバランスが絵になりますな~。

来たときの経路を逆に戻り、16:15の台北行き高鉄に乗車。しばしの休憩です。



すると台中に差し掛かるころ、前方に黒い雨雲が見えてきた途端、激しい雨が・・・ これが熱帯のスコールやろか? 雷もバンバンなってます。まるでゲリラ豪雨です。

こんな雨に遭わんでよかったなとつくづく思う、台南の日帰り旅でした。