もともと「毒ガス」で売り出したビートたけしの「道徳本」ということで、読んでみました。これが、なかなか興味深い。読みやすいので、あっという間に読み終えました。「道徳は、その時代によって変わる」と、著者は言います。そして、「人それぞれによっても違う」とも。だから、結論として「道徳は自分で作ろう」と。なるほどと思いました。私、たけしさんの思想で、一番共感できるのが、「食い物が旨いとか不味いとかいうのは下品だ」と、母親に言われたという、いわば「恥の文化」みたいな部分です。私のような、まもなく60歳に手が届こうかという人間の多くの根っこには、こうした面があると思います。そういう点では、とても理解しやすい本でした。