きわめて閑散とした辰野駅前に立ち周囲を見渡すと、立派な作りの古民家風の建物にのれんが掛かっており、どうやら食事がとれるようだ。近寄ってよく見ると「割烹旅館みのわ屋」とあり、昼は食堂としても営業をしているらしい。しかし実に堂々とした日本家屋だし、何より「割烹旅館」である。僕等のような典型的な庶民には敷居が高い。かといって他に開いている店もなく、次の列車までの時間もそうそうないので意を決して入ることにする。
まるで営業している気配がない・・他に客がいないのだ・・入り口で声をかけると、多分店の主人とおぼしき人物が現れて「営業している」と言う。その人物というのがこれまたただ者ではない風情で緊張感が走る。どのような風情かはあえて書かないので、是非実際に訪れて欲しい。
辰野の駅前と言うこともあり、辰野観光協会推進の「ほたる丼」があると期待していたのだが、どうやらソースカツ丼が一押しのようで、「ほたるランチ」はメニューに載っているが「ほたる丼」はない。一癖ありげな主人に伺うと「辰野はほたる丼を名物として宣伝してるが観光協会がやる気がないのか統制がとれていなくて、結局うちは独自に工夫したほたるランチを提供している」のだそうだ。話をすると見た目とは真逆に話し好きで気さくな好人物だ。10年前に脱サラしてこの旅館に入ったのだそうだ。
これがほたるランチ。左上が「ほたる」に当たる部分で、左端の赤い方がほたるの頭で右端が光を表現した半熟卵。胴体に当たる緑の水菜の下はすき焼きの様な味付けのお肉や野菜だ。味自体はつまりすき焼きかつゆだく牛丼の具のようで、普通においしかった。
右上の小鉢はゴボウの煮物、手前が左からご飯、漬け物、味噌汁である。特に驚いたのは手前中央の漬け物だった。これも一見無頼な店の主人が自らつけた物だそうだ。信州と言えば野沢菜だが、最近市販されているのは低塩とか減塩で漬け物としては塩味が物足りないし漬かりが甘い。しかしこれは塩分も申し分なくしっかり漬かっていて、少し古漬けで乳酸発酵による酸味もあり実においしかった。さらにその横にある白いのは大根の漬け物だが、ほんのりカレー風味だ。それも鼻につくようなカレーむき出しではなく、気がつかない人はなんの風味かわからないであろう程度の味付けだ。これが実にしみじみと美味しかった!
写真の他、食後にはその都度ドリップするというコーヒーが出された。
辰野の駅前で交通の便はいいし、建物は大正期から営業しているという堂々とした古民家建築だ。しかもこのうまい漬け物をつける一見無頼な主人!是非一度泊まってみたい。
食後に辰野駅の戻り飯田行きの列車に飛び乗る。目的地は駒ヶ根。今夜の宿が駒ヶ根なのだ。
駒ヶ根駅のホーム。辰野ほどではないがここも人気はない。かつてホームにあったスタンプや南極の石は今はない。
改札口の駅員が入る部分(正式名称はなんと言うのだろう?)には蓋がされて、無人駅でお馴染みの切符回収箱が設置されている。駒ヶ根は有人駅というかこの近辺の駅の管理をしており大勢のJR職員がいたのに、それが今や無人駅だ。これが時代の流れというものか。
改札を向けて待合に出ると観光協会の案内所も、キオスクも、駅そば屋も、喫茶店(ここでソースかつ弁当\480を売っていたのだ)もなくなっている。僕はこれらがすべて営業していた時代を知っているが、駅がこのように寂しい状態は来訪する観光客にとって実に印象が良くない。
今回新たに、切符自販機があった壁面に「駒ヶ根市市民サービスコーナー」が作られていた。住民票などの発行サービスをするのが主業務だが、観光案内のパンフレットも置いてあるから簡易な観光案内所としても機能するようだ。これはなかなか好感が持てる。
しかし、切符の自販機がなくなったのにはびっくり。
まるで営業している気配がない・・他に客がいないのだ・・入り口で声をかけると、多分店の主人とおぼしき人物が現れて「営業している」と言う。その人物というのがこれまたただ者ではない風情で緊張感が走る。どのような風情かはあえて書かないので、是非実際に訪れて欲しい。
辰野の駅前と言うこともあり、辰野観光協会推進の「ほたる丼」があると期待していたのだが、どうやらソースカツ丼が一押しのようで、「ほたるランチ」はメニューに載っているが「ほたる丼」はない。一癖ありげな主人に伺うと「辰野はほたる丼を名物として宣伝してるが観光協会がやる気がないのか統制がとれていなくて、結局うちは独自に工夫したほたるランチを提供している」のだそうだ。話をすると見た目とは真逆に話し好きで気さくな好人物だ。10年前に脱サラしてこの旅館に入ったのだそうだ。
これがほたるランチ。左上が「ほたる」に当たる部分で、左端の赤い方がほたるの頭で右端が光を表現した半熟卵。胴体に当たる緑の水菜の下はすき焼きの様な味付けのお肉や野菜だ。味自体はつまりすき焼きかつゆだく牛丼の具のようで、普通においしかった。
右上の小鉢はゴボウの煮物、手前が左からご飯、漬け物、味噌汁である。特に驚いたのは手前中央の漬け物だった。これも一見無頼な店の主人が自らつけた物だそうだ。信州と言えば野沢菜だが、最近市販されているのは低塩とか減塩で漬け物としては塩味が物足りないし漬かりが甘い。しかしこれは塩分も申し分なくしっかり漬かっていて、少し古漬けで乳酸発酵による酸味もあり実においしかった。さらにその横にある白いのは大根の漬け物だが、ほんのりカレー風味だ。それも鼻につくようなカレーむき出しではなく、気がつかない人はなんの風味かわからないであろう程度の味付けだ。これが実にしみじみと美味しかった!
写真の他、食後にはその都度ドリップするというコーヒーが出された。
辰野の駅前で交通の便はいいし、建物は大正期から営業しているという堂々とした古民家建築だ。しかもこのうまい漬け物をつける一見無頼な主人!是非一度泊まってみたい。
食後に辰野駅の戻り飯田行きの列車に飛び乗る。目的地は駒ヶ根。今夜の宿が駒ヶ根なのだ。
駒ヶ根駅のホーム。辰野ほどではないがここも人気はない。かつてホームにあったスタンプや南極の石は今はない。
改札口の駅員が入る部分(正式名称はなんと言うのだろう?)には蓋がされて、無人駅でお馴染みの切符回収箱が設置されている。駒ヶ根は有人駅というかこの近辺の駅の管理をしており大勢のJR職員がいたのに、それが今や無人駅だ。これが時代の流れというものか。
改札を向けて待合に出ると観光協会の案内所も、キオスクも、駅そば屋も、喫茶店(ここでソースかつ弁当\480を売っていたのだ)もなくなっている。僕はこれらがすべて営業していた時代を知っているが、駅がこのように寂しい状態は来訪する観光客にとって実に印象が良くない。
今回新たに、切符自販機があった壁面に「駒ヶ根市市民サービスコーナー」が作られていた。住民票などの発行サービスをするのが主業務だが、観光案内のパンフレットも置いてあるから簡易な観光案内所としても機能するようだ。これはなかなか好感が持てる。
しかし、切符の自販機がなくなったのにはびっくり。