田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

09春の田切大掃除8

2009-04-21 13:38:00 | 飯田線の旅
 駅の大掃除も終わり、今宵の宿に移動する。田切から伊那市のエビスホテル前まで亀さんとみやした君を乗せて移動し、その後僕らは高遠を目指して山に分け入る。
高遠(たかとお)はご存じの通り、城跡と饅頭が特に有名な場所で、伊那市駅から路線バスが運行されている。城跡は桜の名所だが、ここに咲くのはコヒガンザクラで一般的なソメイヨシノとは開花時期がずれて、例年GW前後に満開になる。僕らが行ったときは当然まだ咲いていなかったが、今年は開花時期が早くGWを前にして18日に局長が行ったときに既に散り始めちゃってるようだ。大型観光バスで乗り付ける団体ツアー客が多い場所だから旅行会社は大変だな。

 お宿は高遠の中心街を過ぎ、城立ち寄り温泉さくらの湯も通り過ぎ、山間の道を杖突峠に少し進んだ先を、これでいいのか?と不安になるようなほっそい山道に分け入ったかなり先にある。2度目の来訪となる「分校館」かつての分校の建物を宿屋に再生したもの。ここもダムによる水没と林業の衰退で過疎化した村の忘れ形見だ。谷間にある1軒宿で、携帯電話は全く圏外だ。今回の予約は局長が直接電話でつけてくれた、実はインターネットの予約表では「満室」になっていたのだ。ネット万能ではないって事の証明だな。

 入り口は分校時代の正面玄関。部長が筆記机でくつろいでいる。



 玄関すぐ横の共用スペースになっている部屋。一応TVがある。電話は駄目でもTV電波は大丈夫なのか?せっかくこんな長閑なところに来たのだから、あえてTVをつけるような無粋な真似はしない。この部屋にはネットに繋がったPCの端末もあり、局長はそこから掲示板に書き込みをした。そのくらいの事は良いだろう。



 夕食は恒例のいろりのある大きな部屋。部屋は大きいが薪ストーブが焚かれ大変暖かい。薪の焼ける匂いと炭の焼ける香ばしさが大変心地よい。当然静寂を壊すような無粋なカラオケやTVなど無いのだ。



 このお宿はとにかく、お料理が多い。僕にとっては大変美味しいが、旨い不味いは主観によるのであえて断言すまい。但し、山間部の旅館の料理ですから、野趣溢れると言うか、田舎臭い料理だから、その手の和食が嫌いな人は困るだろうな。
 イワナだろうかヤマメだろうか川魚の塩焼き。天ぷらはふきのとうが入っていた。さすがに春先だ。でっかい茶碗蒸しに、ホイル焼きになった肉とキノコ、信州名物馬刺、お鍋一杯の猪鍋、これまた信州名物おそば・・でっかいおひつに並々入った雑穀ご飯。局長はどうやら雑穀が嫌いで銀しゃりが良いと宣うが、なかなかどうして、現在では雑穀の方が単なる米より高級品なのだ。
 しかも、旨い酒を飲もうと言うことで、更に馬刺を3人前も追加注文していたのだ。普通に夕食に馬刺が1人前ずつ付く他にである。それを大皿に盛って出してもらったら、都会の居酒屋ならゆうに8人前はありそうな量である。



 これを男4人(と言ってもその中の一人は子供だが)で全部食べちゃうのだ。まさか宿のお姉さんも、あの大盛りご飯まで全部食べちゃうとは思ってもいなかったろうが、出された物は全部食べる主義だし、何しろ美味しいので残るはずもないのだ。副部長息子はジュースを飲みつつ好物の馬刺をバクバク食べる。ほっといたらこ奴一人で大量の馬刺を全部食べちゃいそうな勢いだ。僕らは辛口の日本酒を冷やで飲み、ついでにビールも飲んで上機嫌だ。僕らの他に客はなく、宿の周囲からは何の音も聞こえない。薪ストーブの薪が時折パチパチはぜる音がするだけだ。何と贅沢な夕食タイムだろう。
 すご~くノンビリと夕食を楽しんだと思ったが、まだ夜の8時だった。

 夕食の後に宿のお風呂に入る。温泉ではないが薪で沸かした湯で、大きなお風呂だ。
本日3回目の入浴になるが、これが後に、局長の身にとんだ災厄を招くのであった。



 ここはホントに時間がゆっくり流れるような感じの宿です。都会の生活に疲れた心を休めるのには持ってこい。「分校館」で検索すれば出てくるので、宿に直接電話で予約しよう。飯田線で伊那市駅、そこからバスで高遠まで行けば、高遠までは迎えに来てくれるようだ。