車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

『石工・ 川六』 灘郷(なだごう)神社 in 鳥取県湯梨浜町

2017年05月15日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・鳥取県

東伯郡湯梨浜町泊、日本海を望む高台に鎮座される「灘郷(なだごう)神社」、御祭神は『素盞鳴尊、天宇受売(あまのうずめ)尊、誉田別尊、猿田彦神』。鳥居に刻まれた文字は「文化五年戊辰九月吉日」

由緒に「大正四年に「泊神社(素盞鳴尊)」「石脇神社(天宇受売尊)「小浜神社(誉田別尊)」「筒地神社(素盞鳴尊)の四神社を合併の上、「灘郷神社」と改称し、現在地に遷座。同年、「園神社(猿田彦神)」「水谷神社(素盞鳴尊)」を合併、大正九年、村社に列せられた。」神獣事始めより

境内より見上げる石段。その半ばあたりより神域を守護される出雲構えの狛犬さん一対。

ぐっと低く構えた阿形さん。石工さんの名前も建立年代も不明ですが中々に良い面構えをされています。

対となる吽形さんは、台座と岩肌に挟まれるように突っ伏しています。主のいない台座に刻まれた沢山のお名前は奉納された方達でしょうか?それにしてもお顔に損傷も無い様子、もとの台座にもどしてさしあげる事は出来ないのでしょうか。

石段参道の先、境内入り口より神域を守護されるのは今にも飛び掛からんばかりの姿勢でうずくまる一対。「文久二年 戌五月吉日」、「石工 川六作」の刻。

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両のたてがみの下から覗く前足、研ぎ澄ました爪でグッと岩をつかむ姿は、今まさに獲物を目がけて飛び掛からんとする姿。

そのくせ、妙な人懐こささえも漂わせて。見る位置、見る折々の気持ちによっていかようにも表情を変える。それは決して設計図通りに機械彫りされた狛犬には到底望むべくもない、石工が丹精込めて打ち出した生きた「狛犬」の姿。

ここが最後となる「石工 川六」の狛犬さん。いつかもう一度出会いたい・・だから、キュートな後ろ姿~💗に願いを込めて!!

境内正面に拝殿。左右に狛犬一対、さらにその左右に凝った彫刻が施された一対の灯籠。拝殿屋根の向こうには「泊港沖防波堤西灯台」の姿が。

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御本殿の縁には、辛うじてその姿をとどめる構え姿の狛犬さん。どれほどの年月をここで過ごされたのだろうか? 対となる狛犬さんはもうその面影さえも見当たらない。

拝殿両横の燈籠。笠の上に低く身構える狛犬さん。「明治四十一年三月吉日」の刻。他に石工名らしき文字もありましたが読み取れず。

 

多分・・精一杯威嚇しているのだろうと思うのですが、下から見上げる所為なのか、思わず頭をなでて「よしよし」としたくなる表情(^^;)

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「注連縄に紙垂」が刻まれた燈籠竿部分、「御神搭」の刻。

社殿左に鎮座される境内社「恵比寿社」。御祭神は『恵比須大神』。入母屋造平入に千鳥破風の社殿。その後方にも先と同じように「泊港沖防波堤西灯台」

大国主の御子神で大漁を御神徳とする恵比寿神。暗い夜の海に漁をする船の行く先を照らし、明るい家路を教える港の灯台。どちらも海に生業を求める者には欠かせない存在。それゆえにその白さが眩しくてとても温かい。

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「恵比寿社」雨避板の奥に鎮まられる御本殿。扉には向かって左に雲流。右に松に鷹の彫刻。

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脇障子には琴を抱え龍の背に乗る天女。対の脇障子には、雲間の中、鷹の背に乗る白髭の貴人。

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扉上部には駆ける獅子

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追う麒麟

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参拝を終えて見おろす泊漁港、穏やかな海の色は懐かしい故郷を思い出させて、ほんの少しだけ昔にかえったようなくすぐったさに、何故か照れてしまう・・・

参拝日:2012年4月18日

気高・青谷と『川六』の狛犬を訪ねて参拝した神社は、この「灘郷神社」でひとまず終了。時代と共に積みかさねてきた石工の技が生み出した『川六』の狛犬。時にはこれが同じ人物によって生み出されたものかと驚愕するほど様々に変化を遂げ、その度ごとに新たな感動を与えられました。この素晴らしい狛犬たちに出会えた鳥取の旅、叶うものであれば再訪をと願わずにはいられません。

 


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