発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

限りなく現代国語に近い夏、あるいは、おそるべし、「高三コース」

2018年07月20日 | 昭和のおもひで

◆暑中お見舞い申し上げます。

 と、書いたところで、キャンディーズが脳内でハモる私は古い。

◆常田富士男氏逝去

 「日本昔ばなし」、というよりも、私にとっては、「ゲバゲバ90分」で名前を知った。出演者の半分以上は彼岸の向こうなのではないか。最近は朝丘雪路も亡くなったし。テーマ曲については以前書いたことがある。「ワシントンポスト」と同じ作曲者だと長い間勘違いしていた。スポンサーは、サントリーと本田だったか。サントリーオールドの音楽は「夜がくる」。HONDAは「Z」を売っていた時代だったと。

◆流政之氏逝去

 ボテっとした黒御影石の彫刻はよく見かけた。日本経済新聞の「私の履歴書」で、名前をおぼえた。

◆現代国語な日々

 私の仕事は教科で言えば現代国語である。日々是現国である。たとえば、「この二万字の文章を、用字用語を統一し、誤った漢字、不適当な助詞、慣用句の使い間違いなどがあれば正し、適当な段落をつけて読みやすく一万字程度に要約せよ」というような問題を日々解くのである。制限時間はすなわち生産性である。この程度で忙しいと言っていると笑われる。

◆読書とわたくし

 高校の頃までは、ろくに読書せず過ごしていたような気がする、というか、私よりもたくさん本を読んでいる同級生はいくらでもいた。倫理社会の課題として岩波新書の『人間はどこまで動物か』を読み、それ以降、そういった新書を読むようになったが、小説などは教科書に載っているもの以外はほとんど読んでなかった。現国の時間、先生が「誰か読んで」というとき、なるたけ挙手して朗読するようにしていたのは、居眠り防止のためである。語彙も豊富とはいえず、「タイハイ的のタイハイってどう書いたっけ?」と聞かれ「退廃」と書くと、「それじゃなくって」。つまり「頽廃」のことだったらしいが、難しい字での「頽廃」など、アナザーワールドのものだった。

 当時は旺文社と学研から、中高生向けに、学年別の雑誌が出ていた。選者だった田村隆一と鈴木志郎康に合計3回ほど詩を載っけてもらえたことがある。河原淳はイラストを載せてくれたよ。あるときそれに、何かコンピューター占い的というか適性検査的なものがついていて、それに書き入れ切手を同封して送ると、適職が書かれて送られてくる、というのがあって、私の検査の結果は、何だったと思います? 「編集者」。おそるべし、「高三コース」。


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