発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

怒る時間がない

2021年02月05日 | 昭和のおもひで
◆緊急事態宣言
 夜、飲食、特に飲酒を伴う飲食に出ることのめったにない私なので、緊急事態宣言はさほど生活に影響しない。ただ、この不景気が売り上げに影響しないわけがないことと、土日の西鉄バスの本数が減るのが憂鬱である。

◆私は怒っている
 仕事に追われて怒る時間がない。なにかとてつもなくよくないことが起きているというのに。新しい本を売らなければ、仕事に行かなければ生活が成り立たない。怒っている時間がない。
 相変わらず元気に働いて(新刊できたし)ごはんがおいしくて(今夜は春巻よ)よく眠れるのだが、私は怒っている。だが、日々の生活に追われ、怒る考えをまとめる時間がない。しかし怒っている。
 よほどまずい。危機である。感染症など小さなことである。もっとまずいことはほかにある。ブラッドベリの書いた、きのこ宇宙人にすでに征服された社会に生活しているのかも知れない。メンタルをやられない決意で快活に過ごしてはいる。だが、頭の隅にこれってやべーぞという意識は常にある。危機を危機として自分の言葉で表現し、解決方法を模索するのは現世を生きる大人の役割である。
 私は生産性を向上させ、きちんと怒る時間を確保しないといけない。仕事をもっと短い時間で確実に終えないといけない。

◆劣化した議員
 複数の国会議員が銀座だかのお高いクラブに行き、批判されて議員辞職や離党を強いられている。
 まったく同情するものではないが、問題は別にあると私は思う。
 それはパンデミックとは違うのではないか、という議論をせず、世の大勢の空気を読んで、緊急事態宣言や特別措置法に反対しなかったのに、自分たちだけは、8時以降銀座の、おそらくは高そうな香水の匂いがするきれいなお姉さまのいる素敵なお店で飲食していたのである。
 自分の行くところはいいのか?
 問題ないと思うのなら、なぜそれを話し合わない?
 その頭と口は飾りなのか? 議論の土俵さえ作らず、上がろうとせず、そのうえ
「私は銀座にお金を落とすっ」
「罰則?過料?アホも大概にせいっ」
「何が悪いっ」
 と開き直る(のもどうかと思うが)覚悟もなしに、すごすごと議員辞職や離党に応じる。情けない。議員は私たちに代わって議論する係ではないのか、歳費もらってなにやってんだか、と怒ってみる。




















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