発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

ALWAYS 三丁目の夕日'64

2012年01月13日 | 映画
「ALWAYS 三丁目の夕日'64」 試写会。都久志会館。
 東京オリンピックの頃の日本の話。
 
 「コクリコ坂から」や、 「青春デンデケデケデケ」と、時代がかぶる。横浜の高校生が、赤いシリーズな恋をし、四国観音寺の高校生がエレキバンドにうつつを抜かしていたころ、東京下町の鈴木家、茶川家でも、子供が高校生となり、住み込み整備工もお年頃。次の世代の自立、がテーマといえばテーマなのである。
 安心して見てていい。これはもう、基本善人しか出て来ない映画である。
 堤真一の鈴木オート社長も、相変わらず、CGを使って怒っていて、爆笑させてくれる。

 この映画では、恋する60年代乙女にして自動車整備工を演じる堀北真希に注目である。最高にかわいい。堀北を見に行くだけでもこの映画を見る価値はある。乙女に戻って一緒にドキドキしませう。
 単なる、昔は良かった的なノスタルジーに終始していない。公害も問題になってきている時代だ。高度成長時代を背景にしながら、上ばかりを見ない生きかたも提案している。価値は自分が決めることであり、好きな事ならがんばれる、という変わらない真実もきちんと伝えている。

 日本を不幸にしたのは80年代後半だと思っている。バブル崩壊からを「失われた10年」とか「20年」とか、よく言っているが、バブル期に幸福をお金でしか換算できない傾向が蔓延したために、余計な喪失感を味わうことになったに過ぎないのだ。去年さらにいろいろなものを失い、それまでの「失われた年間」が、いかに幸福であったかを思い知っているのではないか。
 でも、まだ持っているものはたくさんあるのだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ゴーイン、マイウェイでした。 | トップ | 日本列島いきものたちの物語 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事