きらく堂日記

鍼灸師の喜楽堂が日々の出来事、過去の思い出、趣味にまつわる話などを綴った日記帳(=雑記帳)です

思い出探し(11)・父の発病

2010年09月17日 | 思い出探し
私たちが仙台市に住んで間もなく父が肺結核を発病した。
父が34歳、母が29歳、私が5歳の頃であったと記憶する。
写真はその直前頃のもので、私が甘えている父はとても痩せている。

群馬県沼田市の北越製紙㈱林業部の出張所から宮城県仙台市の出張所長として赴任して間もなくで、2~3人の部下を使ってバリバリ仕事をしていた時であったが、肋膜炎で戦地から樺太に送還されてから、樺太の営林署勤務、赤軍の占領と樺太からの引揚げ、取りあえず落ち着いた青森県浅虫での冬の生活、民間会社への入社と続いた様々な疲れが一因であろう。

微熱が続き、コンコンと空咳をし、体がだるく、痰が出るようになって、昼間家で寝ている父をこの時始めて見た。
肺結核と判明し、家から離れた専門の個人経営の診療所に入院したが、経過は思わしくなく、しばらく後に仙台市内の国立病院に入院となった。

2度の手術と3年間ほどの闘病生活が続いたが、このころが我が家のもっとも厳しい時期だったと思うが、私自身はそんなことが分かるはずもなく、また母も子供たちに明るく接して頑張っていたのである。

当時の肺結核は国民病であり、戦中戦後の衛生・栄養面の悪化もあり、多くの人が罹患したわけである。結核は隔離治療されるのだが、それでも家族に結核の人がいるとその家族も罹患する確率が高く、多くの子供が結核の一つであるカリエスに罹患した。
父の肺結核は中学生の時に気仙沼で私が腰椎カリエスを発病する原因ともなるのだが、そんなことになるとは幼い私は夢にも思わなかったのである。

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