みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

大喪の礼と御在位三十年式典

2019年02月24日 | 俳句日記

御着席になられる両陛下


2月24日〔日〕晴れ

この日に相応しいライトブルーの春の空である。
相応しいと言えば、当式典は武道館がよかった。
武道館と国立劇場では収容数が格段に違う。
何よりも皇居に近く、警備上も有利である。

首相の式辞も来賓も舞台設備も実に質素で、手作り感が漂う式典であった。
分からないでもない。
30年前の今日は先帝の「大喪の礼」の日である。


平成元年2月24日 葱華輦(天皇の輿)の徒歩列

今上が天皇となられてから最初の御大役だった。
「葬場殿」で先帝に「おんるい(弔辞)」を奏上な
された時が先帝と国民並びに世界164ケ国、700人を前にしての実質的な即位宣言であった。

以来30年の時が過ぎ、ご譲位をなさろうとしている今日、「御在位三十年」の祝賀が政府主催で行われるのであるから国民としては盛大にお祝いし
たいがそうも行かない事情がそこにある。

してみると
21日の皇太子殿下の記者会見、
22日の安倍首相の内外情勢についての上奏、
23日の殿下の御誕生日と学習院大でのご講義、
そして、今日の御在位三十年式典。

この日程の並びをつらつら思うと、今上並びに皇后さまはご譲位を前にして、お役目は勿論のこと親子の心構えについても皇太子とのけじめをお付けになる為の4日間ではなかったのかと拝察して
しまうのである。


参列者に対する両陛下の眼差し、


退出される今上は、我々日本人に「長い間ありがとう。浩宮を宜しくお願いします」と言わんばかりのお手の振りようである。


皇后様もまた今上との越し方を想い、皇太子の御代と日本及び日本人の安寧を祈りつつ万感の想いが胸に迫り涙しておられるようにお見受けする。

まだ早いのであるが
「両陛下に於かれましては、国家国民の為に長い間有り難う御座いました。一国民として衷心より御礼申し上げます。今後の両陛下のご健勝をお祈り致します。くれぐれも御身を大切にお過ごし下さい」

そう申し上げたくなるお姿であった。

〈言祝ぐや 平和の御代と 春の空〉放浪子
季語・春の空(春)