みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

春宵値千金

2019年02月06日 | 俳句日記



2月6日〔水〕晴れ

立春当日は快晴であったが風は冷たかった。
うって変わって昨日今日と暖かい。
昼間外に出るのにコートの類は不要であった。
ただ宵を過ぎるとまだ浅い春である。

日が落ちてから、やや遅い夕餉の支度に出かけるのにコートを羽織って出た。
既に20時を回ろうとかと言う時刻なのに暖かい。
寒暖相半ばして時効を感じなくなった。

“春宵一刻値千金”とはこのことか?と思った。
蘇武の詩の後には“花有清香月有陰”と続く。
花は芳しく香り、月が彩に辺りを照らすと言うのである。

してみると仲春の詩である。
しかし今宵私が体感した春の訪れ、寒との別れ、の歓びに当てはめることも出来るのではないか?
寄る年波の為せる業であろうか?

〈春宵の ひとしほなるを 覚えけり〉放浪子
季語・春宵(春)