みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

雨水と佐保姫

2019年02月19日 | 俳句日記

雨に濡れた公園

2月19日〔火〕雨のち晴れ

立春から半月が過ぎました。
今日は二十四節気の第二節“雨水”です。
天からの恵みの湿りが雪から雨へと変わり、氷
は解けて谷間に幾筋もの流れをつくります。

春が動き始める瞬間。
初めはチロチロと音を立てていた谷の流れは、
そのうちサラサラと流れる小川となり、小さな
生きものたちがそこに集い始めます。

流れのきわの草や木も、茎の先やら枝の先まで
伸びをして、さてと次の準備に取り掛かる。
春の歌の序章はそのように水の流れと共に実に
静かに奏でられ始めるのです。

踊りながら指揮をするのは佐保姫様。



第二章は芽吹きから開花までの輪唱。
第三章は百花繚乱の大合唱。
そして、終章は青葉若葉の大地の賛歌。

佐保姫様は汗だくになって、タクトを大きく天
にかざし、今年のコンサートが終わります。

それもこれも今日の雨から。
耳を澄ませば佐保姫様の小さなアクビが聞こえ
るでしょ?

〈佐保姫が 伸びして目覚めし 今日の雨〉放浪子
季語・佐保姫(春) *佐保姫=春の造化の女神