みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

博多山笠

2017年07月11日 | 俳句日記

7月2日の半夏生の記事で、博多山笠に
ついては少し触れた。
博多の祇園山笠は、福博の街を上げての
祭りだけに、二部構成で念が入ってる。

まず観光客向けには、伝統的な技法で飾
られた飾り山が、各流れごとに妍を競っ
て飾り付けられ、これを回遊するだけで
も夏の博多を観光した証しとなる。

次は、7月15日早朝の舁き山のタイムレ
ースへ向けての盛り上がりである。
これがユネスコ無形文化遺産の主題なの
だが、由来の趣旨と運営自体の民族性に
基づく構成が、実にうまく演出されていて、半月にも亘るイベントなのにサポー
ターを飽きさせない。

仕組みはこうだ。
まず山笠の町内の運営母体を「流れ」と
言う。
この流れが、現在は7つに減ってしまっ
た。
昔は十を超える流れがあったらしい。

「〇〇社中」と言う言葉があるが同意語
だと思えばいい。
流れの中の彼らは、地域コミュニティの
社中なのである。

元々は、鎌倉期の中頃、博多に疫病が流
行った際、正一国師が主唱して疫病退散
の祈願の為に山車を曳いて廻らせた事に
由来する祭りである。

当然神仏と関わる祭りだけにストイック
な申し伝えあつた。
やれ、祭りの最中は、女人には触れるな
、キュウリは食うな、何それ⁈と思う。

私も、若かりし頃、山も舁いたし、山車
にも昇らせて頂いた。
担がれている方と、担ぐ方は雲泥の差が
あって、この世のものとは思えない。

舁き手は一歩間違えば、約一トンの山車
の下敷きになる。
嘗て、そうした犠牲者の話しも聞かされ
ていた。

神聖な祭りであるから、女人禁制。
キュウリを輪切りにすると、願を掛ける
櫛田神社の神紋であるから失礼にあたる
などと言われた。

そこで、山車に乗って感じたこと。
まるで卵子に群がる精子のように寄って
くる目付きの変わった男衆。
舁く技術をその一瞬に勇気を鼓舞し、得ようとする心意気。
それに私は圧倒された。

夏野菜のきゅうりは、身体を冷やすし、
今日ではビタミンCを壊すと言われる。
であるからお酢の力を借りてCを壊すこ
となく食すと良いと聞いた。

女人はと言うと、押して知るべし。
オリンピックを目指すアスリートは、事
に臨む時は、例外なくストイックなのだ
そうだ。
そりゃそうだろう、人間の義務を果たし
た後に、力って入るのだろうか⁈。

今日は、これまでにしておく。
まだ、博多祇園山笠については書きたい
ことが山とある。

〈山笠と 歩む人あり 懐かしき〉放浪子
季語・山笠(夏)

7月11日〔火〕晴 一時雨
3時半より活動開始。
今を生きるが良く解る。
10時半に家を出て、病院へ。
山笠を一部見学。
祭りの有り難さを痛感する。
夕飯は母と共にする。