みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

坂の道

2017年07月05日 | 俳句日記

梅雨は、そう簡単には明けてくれない。
台風が、せっかく押し上げてくれた前線
も、また下がって来た。

ジメジメした暑さは、どうにも身体に良
くない。
何度も衣類を取り替えるので、洗濯カゴ
が直ぐに一杯となる。

おまけに今日は、午後から夕立が降った。
サッと上って、カラッと晴れれば良かっ
たのに、雲が湿気を閉じ込めてしまった。
その中を実家のための買出しに行った。
夕立の雨に打たれたような汗をかいた。

予報では、夕刻から大雨になるという。
早々に実家を後にして、宿に帰り調べ
物を始めた。
いずれこのブログでご紹介することに
なると思う。

夕方になったが、いっこうに降り出さ
ない。
気温が下がり始めたので、井草のスリ
ッパを履いて、我が家のエサを夕涼み
がてら買いに出掛けた。
買い物道のお地蔵さんにチョイと頭は
下げた。

この時分の散歩はいい。
若いお母さんは、乳呑み子を胸にぶら
下げて、上の子とお話しながら買い物
をしているし、お婆ちゃんも店先を覗
いている。

お爺ちゃんは、孫の手を引き散歩して
いるし、女学生は晴れやかな笑顔で会
話しながら家路を急ぐ。
男子学生は、何故か様々である。

おおよそ、人間のほとんどの年齢層が
この時分には町に出ている。
お父さん達も、店頭で大きな声をあげ
ている。

みんな今を生きている。
その中に生きている私は、幸せな気分
になる。
午後7時半、まだ九州の街は明るい。

買い物袋をぶら下げて、いつもの角を
曲がった。
坂をちょっとだけ登った処が私の宿だ。

〈夕涼み 角を曲れば 坂の道〉放浪子
季語・夕涼み(夏)

7月5日〔水〕曇り 夕立 時折の晴間
思うところあって、講談社の
「20世紀全記録」を繰ってみた。
この世紀は、何かがおかしい。
進歩とは言えない何かがある。