旧東海道を西に進んでいると、赤い鳥居が整然と並ぶ光景が目に
飛び込んできた。ここが「道念稲荷社」。昔、道念和尚が旅の途中
で立ち寄った際に建てられたという社だ。
幾重にもつづら折れて重なる赤い鳥居、その参道入り口は、なぜ
か閉ざされており脇から眺めるだけ。一番手前の大きな鳥居の頂点
横木だけが黒く塗られているのは、何かの呪いであろうか。
こちらの大祭は、毎年6月の第1日曜日に開催される「蛇も蚊も」
だ。今から300年ほど前の江戸時代、この辺りで流行った疫病に多
くの人が苦しめられた。そこで、村人は氏神であるスサノウノミコ
トにちなんで大蛇によって疫病を退散させようと考えた。当時の祭
は5月5日の端午の節句に行われていた。
生麦あたりの河港には萱が生い茂り、その萱で長さ8間、胴回り
2尺の大蛇が作られ「蛇も蚊もでたけい、でたけい、でたけい、日
より雨けい、雨けい、雨けい」と囃し立てながら村中を練り歩いた
という。そして最後は、悪病を封じ込めた大蛇を海に流すと、その
疫病が治まったと伝承されている奇祭である。
(横浜市鶴見区生麦4-27)
石標 蛇も蚊も発祥地しるべ
飛び込んできた。ここが「道念稲荷社」。昔、道念和尚が旅の途中
で立ち寄った際に建てられたという社だ。
幾重にもつづら折れて重なる赤い鳥居、その参道入り口は、なぜ
か閉ざされており脇から眺めるだけ。一番手前の大きな鳥居の頂点
横木だけが黒く塗られているのは、何かの呪いであろうか。
こちらの大祭は、毎年6月の第1日曜日に開催される「蛇も蚊も」
だ。今から300年ほど前の江戸時代、この辺りで流行った疫病に多
くの人が苦しめられた。そこで、村人は氏神であるスサノウノミコ
トにちなんで大蛇によって疫病を退散させようと考えた。当時の祭
は5月5日の端午の節句に行われていた。
生麦あたりの河港には萱が生い茂り、その萱で長さ8間、胴回り
2尺の大蛇が作られ「蛇も蚊もでたけい、でたけい、でたけい、日
より雨けい、雨けい、雨けい」と囃し立てながら村中を練り歩いた
という。そして最後は、悪病を封じ込めた大蛇を海に流すと、その
疫病が治まったと伝承されている奇祭である。
(横浜市鶴見区生麦4-27)
石標 蛇も蚊も発祥地しるべ