☆♪☆ 鉄のみゅーじしゃん ☆♪☆

作編曲家・ギタリスト塩塚博のブログ。
近年は駅メロディの作曲で知られています。

続「異邦人」

2011年02月10日 23時50分22秒 | 好きなアーティスト

前回、久保田早紀さんの「異邦人」の話題を書いたところ、
ミクシイに沢山のコメントを寄せていただき、ありがとうございました。
この話題、もう1回だけ引っ張らせて下さい。

前回の記事をご覧いただいた方は、「異邦人」のYoutube動画をご覧になったと思います。
人形のように愛らしい早紀さんが、この曲をピアノを弾きながら歌うさまは、
ため息が出るほどにせつなくて、はかなくて、いとおしく、懐かしいです。

http://www.youtube.com/watch?v=92YCbbKLjq4



この動画を見ていて、すごい事に気がつきました。

この曲のキーはFm、へ短調ですが、サビでF、へ長調に同主調転調し、
8小節のちに再び短調、Fmに戻ります。
そして、この曲を歌う早紀さんの表情に注目して下さい。

歌い出しは、短調の顔。物憂げでせつない表情をしています。
曲がサビにさしかかる所で、長調の顔になります。明るく、希望に満ちた、さわやかな顔です。
再び短調に戻る所で、一瞬のうちにせつない短調の顔に戻ります。
歌詞も、悲しい内容に変わるので、その世界観の変化にゾクッとします。

1980年初頭、フジテレビ「夜のヒットスタジオ」出演時のものですが、
この動画に関してはカメラワークも見事です。
転調する所は完璧に表情の変化をほぼアップで捉えていますし、
間奏中のピアノを弾く早紀さんの神々しい表情も素晴らしい。
きっと転調で顔が変わることを熟知していたディレクターがそのように組んだのでしょう。
早紀さんは基本的に常に真ん前を向いて歌い、カメラに合わせて視線をずらすことをしませんが、
その落ち着きは当時21歳とは思えない、大人の雰囲気を醸し出しています。

ところで「異邦人」、Youtubeに現在upされている動画は数種あります。

まず79年11月の「夜ヒット」初出演時のもの。
本人もまだテレビに慣れておらず、初々しいけれど、
上の動画のような神秘性はなく、カメラワークも適当です。

80年初頭の「ザ・ベストテン」のもの。黒柳さんと久米宏さんのMCがなつかしい。

「ミュージックフェア」に出演して弦楽四重奏と共演しているもの。

などなどですが、すべての中で、上に貼り付けた動画が、文句なしに一番素晴らしいです。

まだ見ていない方はもちろんですが、
既に見た方も、転調によって変化する彼女の表情に注目して、
もう一度ご覧いただきたいと思います。


それから、前回の記事の補足です。

初めて僕がさゆりさんにお会いした時、なぜ10代の少女のように見えたのか、ということです。

さゆりさんは、すっぴんで現れました。でも、とても可愛くてキレイでした。
「久保田早紀」を背負って生きるプレッシャーから解放されたからでしょうか、
とても活き活きとした、お茶目で、あどけない表情。
そして小柄で、カジュアルな服装でした。

そのたたずまいは、常にクールなイメージの久保田早紀の時代には
一度も見せたことがなかった、天真爛漫な少女のように、僕には見えたのでした。
久保田早紀を引退してよかった、幸せなのだな、とすごくよく分かりました。


さゆりさん、大作さん、長いことご無沙汰してしまい、本当にごめんなさい。
お二人には、いっぱい、感謝しています。

今日もいっぱい記事を書いてしまって、すいませんでした。


コメント
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