goo blog サービス終了のお知らせ 

夕庵にて

スマホでパチリ・・・
ときどき写真と短歌を

ツナグ 辻村深月著 新潮社文庫

2019年02月28日 | 
なにげなく手に取った本が『ツナグ』だった。一度読んだような気もするがとりあえず買った。映画かテレビの宣伝?か思い出せない。



ツナグとは死んだ人間と生きた人間を合わせる窓口、それが使者(ツナグ)

○ 急死した人気タレントと彼女のフアンだった地味なOL
○ 突然失踪した謎の多い女性と彼女に去られて失意の生活を7年間も続ける男
○ 告知もしないで癌で逝った母親と不遜で不器用な長男
○ 親友を立てていた朗らかな女子高校生と彼女の事故死に秘密を抱えるその親友。

死者はツナグの手を借りて一晩だけこの世界に舞い戻る。鮮やかに振る舞う死者をまえに呆然と立ち尽くす生者。つかのまの再会の後ふたりはそれぞれの世界へ帰ってゆくのだが、前向きな希望、悔恨、悲嘆、落胆と残してゆくのだ。圧倒的な喪失感のみが生者の胸に残る。死者は決して生き返らないのだから。占いでもイタコでもない不思議な物語。生者が満月の夜にだけたった一度、たった一人の人にだけ会うことができる。青銅の鏡、満月の夜と神秘的な小道具が揃う。私の一番会いたい人とはいったい誰だろうかと考えている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夜の京都駅 | トップ | 気まぐれな春 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事