目指せ華麗な七十代!

旧mandalaflowerからタイトルを替えました。今から始まる七十代をより華麗に生きる覚悟です。

犯罪者を生んだ小さな間違い

2022-05-19 | 時事

山口県阿武町のご送金問題を、大変興味深く見守っております。

最近になって彼のお金の使い道が判明したらしいが

何とネットカジノで使ったと言ってるようですね。

 

FNN ニュースで聞きました。

大金が誤送金される前の彼の口座には六百六十五円残って居ただけだそうです。

 

考えて見てください、千円未満の残高しかない口座に

ある日突然大金が振り込まれていました。

多分自分が一生見ることもないような大金が転がり込んできたのです。

まるでおとぎ話のようだと思いませんか。

 

宝くじは自分で買っているけど、今回は訳もなく突然大金が、

 

降って来たようなものですよね。

でもね、そこで普通はきっと何かの間違いだろうって、

思うんじゃない。

 

そうでしょ。だけど

そこで彼は何を思ったのでしょう。

 

その瞬間、ヤッター🙌って思ったのかね?

だとしたら

相当の金の亡者ですよね。

 

世の中には普通じゃない人もたくさんいますから、

今回はそこへピタッとハマったのでしょう。

 

始まりは小さな町の一人の職員が犯した小さな間違い、でもそれが

一人の若者を犯罪者にしてしまいました。

 

こんな間違いさえなければ真っ当に生きていたかも知れないのに、

一生罪を償う人生に変わってしまったのです。

 

二十四歳ですって。

 

きっとお金の誘惑に負けたのでしょうね。

 

子供の頃、地球最後の日が来たら何をする?という問いに

有り金全部を使い切ると答えたそうです。

多分彼はこのお金を見た時に考えたんじゃないかしら。

人生の上でこんな大金を手にする事は絶対にないだろう、

だったらこのチャンスを活かせよ、コレで人生終わっても良いじゃないか、

目の前の何千万円のお金と、自分の人生を取引したのかもしれません。

 

二度と来ないかもしれないチャンス、人生を棒に振ったっていい。

 

そんな誘惑に負けたのかもしれませんが、

哀れなのは彼が知っている人生がたった二十四年間だけだって事です。

人生のお楽しみはコレからなのに

彼はまだその事を知らないまま四千万円余りの金と交換しちゃったのよね。

改めてなんて哀れな話だと思います。

罪作りになった役人も犯罪者になってしまった若者もお気の毒と言うしかありません。

 

しかしまた

その一生に一度あるかないかの好機を

なぜネットカジノなんかでスったのでしょうか。

 

きっと他に思い付かなかったのでしょうね。

早く使って終わなければ

返せコールに負けてしまうかもしれないし、

取られるくらいなら、なんだっていい

早く使い切っちゃいたい。

何しろこんなチャンスは二度と来ないのだ。

 

多分そんな気持ちが大半だったでしょう。

カジノでギャンブルして遊びたい、なんて心の余裕なかったと思う。

 

ただただ早く使ってこの厄災から逃れたいと無意識のうちに思ったかもしれません。

 

金を紙切れのように使う経験をしてみたかっただけで

ギャンブルがしたかった訳じゃないでしょう。

 

余談ですが、カジノという言葉が話題になって

以前一度カジノに行ったことがあるのを思い出しました。

 

NYに住んでいた頃のことです。

ニュージャージーだったかロングアイランドだったか忘れましたが、

マンハッタンからバスで行った気がします。

遊んだのはルーレットとスロットルマシーンだけだったかな。

 

でもねお金をかけているので真剣ですよ。

二十五セントが何ドルもに化ける事もあるからね。

数字を追う目つきに力が入ります。

その真剣さが面白いのです。

でも紙切れ同然にお金を賭けてたら

真剣さもあまり感じないでしょうね。

 

 

カジノで遊んでいても気持ちが落ち着かずずっとソワソワして

金を使う事を心から楽しめ無かったんじゃなかろうか。

 

当たり前だわ、他人の金だもの楽しめる訳ないでしょう。

 

そんな事のために有り金を使い果たしたって信じられません。

同時にまた考えるのです。

もしも彼が未来に夢と希望を抱いていたら

こんな事起こらなかったんじゃないだろうか、と。

 

四千万円と自分の人生を秤にかけた時、

たった四千万で人生棒に振りたくない、と思えるか

例え残りの人生を惨めに生きようと今この四千万を紙切れのように使いたい、

と思うか、

 

その人の生き様にかかっています。

二十四歳の彼は後者だったのですね。

 

それにしても、役場の犯した小さな間違いが

コレ程の大騒ぎに発展し、善良なる市民が

まるで指名手配の犯人のように顔も名前も晒されてしまいました。

 

犯罪者にならなくても済んだ若者が誰かのケアレスミスによってこのような事態になる事を

誰が予想したでしょうか。

 

と、思ったら

実は去年大阪で似たようなことがあったらしい。

 

こっちのケースは千六百万円ほど。

やはり市役所の誤発送。

いくつか知らぬが当人あっという間に株につぎ込んで全部スっちゃった、という話です。

 

山口の人は多分その事件を知っていたような気がします。

 

それにしても、この話。

まるでグリム童話など何か教訓的な意味を持った昔のお話のような事件だと思いませんか。

現代の寓話となる様な事件だったと思います。

金の誘惑に負けて騒動を引き起こした若者が

今後歩む道の上にも道にも、きっと光は射すでしょう。

小さくてもいい、幸せを感じる時間がある事を祈るばかりです。

 

私の大好きな話。

芥川龍之介の杜子春を思い出します☆

 

 

 

 

 

 

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