“カスタマーハラスメント保険に加入する企業が増えているという記事を読み、「なるほど」と思いました。近年、顧客の理不尽な要望はひどくなっているなと感じてきたからです。
十数年前、スペインに行ったときのことです。添乗員が「日本では売る側が下で買う側が上って感じでしょうが、欧米は対等なんです。売る側は買ってくれたのだから『サンキュー』、買う方もこの品物を手に入れることができたので『サンキュー』と言い合うのです」と語っていたのが印象的でした。服でも食べ物でも、自分で作ることなんてできないから、その通りだと気付いたのです。お客さまは神様でなく、互いにありがとうと言い合えるような精神こそが大切なのです。”(12月15日付け中日新聞)
岐阜県高山市の自営業・平沢さん(女・69)の投稿文です。つい先日の「話・話」 第3074話で書いたことと全く同じ話です。ボクが思っていることに意を強くした。
カスタマハラスメントとは消費者・顧客による悪質ないやがらせや迷惑行為、理不尽なクレームや暴言を繰り返す行為で、略してカスハラというそうです。その保険があると知って驚いた。調べてみたら カスハラに対する相談や弁護士費用を補償する保険です。ここまで来るともう犯罪である。どうしてこんなにまでなってしまったのだろうか。
三波春夫が観客に向かって「お客様は神様です」と言うのはいいが、観客が自らを神様と言ってはいけない。万事控えめだった日本人が、どうしてこんな主張をするようになってしまったのか。自己主張をしなさいと、教えた結果であろうか。お金を儲けたら、寄付するのが当然のような国もあると聞くが、日本ではその思想はないと思う。その思想がない中で金儲けに走る。日本人は初詣など寺社の参拝には出かけるが、その宗教心はどうだろうか。ほとんど無宗教と言ってもいいのではなかろうか。根底になる思想を醸成しないまま、自己主張を当然化した結果のような気がするが、いかがなものでしょうか。
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