寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3075話) 高齢者の悩み

2021年01月05日 | 人生

 “「さっきから鳴っていますよ」医院の待合室で、体温計を脇に挟んでいると、窓口の若い事務の人に注意されるようになって久しい。友人に尋ねても、みんな同様で、私も老人になった証しぐらいに考えていた。
 そしてここ二、三年来、テレビの音声が、はっきり聞こえなくなった。音量は調整できるから、十分に聞こえているはずなのに、早口の漫才などはもちろんのこと、ドラマでも若い人のセリフが聞きづらくなった。スポーツや歌は支障がないが、早口の音声は単なる騒音に感じてしまい、リモコンでチャンネルを変えてしまう。ニュースを語るアナウンサーの速さだと、どうやら理解できる。また、外国人の話や洋画などのように字幕が出るのはありかたいが、字数が多いと追いつけず、読み終わるまでに消されてしまう。
 最近、歩く速度も遅くなったし、視神経、聴神経も衰えてきて、見たり聞いたりしている話の筋がうまく通らなくなってきた。後期高齢者に位置付けられて久しい。日常生活にあれもこれも支障の波が押し寄せてくるのは困ったことだが、どうにも防ぎようがありませんね。”(12月13日付け中日新聞)

 名古屋市の岩井さん(男・95)の投稿文です。この文はボクのことかと思った。しかし、年齢をみてびっくりである。95歳、ボクにまだ20年先である。20年先は生きていない確率の方が大であるし、生きていたらどんなであろうか。
 ボクは医院で体温を測るときは、看護婦さんの近くにいる。音がしたら教えて貰うのである。ボクの衰えの中でも、聴覚の衰えを一番早く感じた。ボクに反して妻は全くよく聞こえる。テレビの音は妻に合わせてある。ニュースはまず分かるが、ドラマはほとんど分からない。ドラマを見たいときは、ヘッドホンを掛けている。最近は韓国ドラマにはまっている。ドラマ自身の面白さもあるが、字幕スーパーであるのがいい。ヘッドホンを必要としないのである。視力は40歳くらいからあまり変わっていないが、白内障と緑内障の進行を防ぐために毎日薬を差している。歩く速さはまだほとんどの人に負けないが、それでも昔に比べれば随分遅くなった。高齢者になれば高齢者の悩みは当然である。しかし、若い人にはなかなか分からない。


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