寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2786話) オールドルーキー

2019年05月14日 | 活動

  “元号が令和に変わる今年は、私の四十代最後の年で、この節目に介護職の資格を取りました。新しいことにチャレンジするには勇気が必要です。介護の仕事をできるかではなく、やりたいかどうか、と考えました。いつか介護される身になる。生きていれば誰もが通る道です。両親や自分の老いにも、不安を感じる。老いや介護について知らないからです。心を空にして、きちんと学ぼう。学校で習おう。知識と技術を身に付けたい。
 ありがたいことに、今までよき師に巡り合ってきました。学生の時から水泳を続け体力もあります。何事にも不器用で苦労してきましたが、できないなら練習すればいい。失敗して覚えるたちだ。自分を信じてやってみようと思いました。
 福祉専門学校在学中から就活を始め、一目ぼれした開放感ある、景色のよい施設に就職できました。施設の前の桜が、私をやさしく迎えてくれました。配属されたユニットでは、最年長のオールドルーキーです。これから人生の大先輩の心に触れる。焦らず、慎重に向かい合おう。先生はおっしやった。「完璧な介護はない」と。私なりにすてきな介護をしていこう。”(4月24日付け中日新聞)

 三重県四日市市の介護職・森下さん(女・50)の投稿文です。50歳を前に福祉専門学校に入り、介護職の資格を取る。そして、施設に就職する。時折聞く話ではあるが、そうそうあるとは思えない。かなりの決意を必要とする。そして、何よりもそれだけのチャレンジ精神を持ち合わせていないとできない。そして言われることがいい。「できるかではなく、やりたいかどうか」と言われる。やりたい気持ちであれば、何にでも挑戦できる。できるかではする前に怯んでしまう。介護は生きていれば誰もが避けて通れない道です。これだけ長寿社会になればよりである。わが家でも長年、母を介護してきた。素晴らしい選択だったと思う。それにしても森下さんはそれまでどんな生活をされていたのか、気になる。どんな生活をされていて、このようなチャレンジ精神を持ち合わせておられたのか。
 ボクはもう余生、余生と言っている。本当に余生でいいのであろうか。


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