吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

こわらいばなし

2013-02-08 16:43:27 | インポート
先週の夜、寝ていた旦那さまから
急に、「きききき」という声(音?)が聞こえたので
本を読んでいた私は、なんだろう?と、旦那さまの顔を見ました。
旦那さまは、右肘で顔を覆うような不自然な体勢で
肘の下から覗いている顔は、薄く目を開き、口を少し明けていました。
その口で、息を吸いながら、「きききき」と言っているのです。
年齢も年齢だし、何かまずいことになっているのは分かったので
旦那さまの肩を軽く叩きながら、「どうした?」と、声を掛けました。
すると、旦那さま目をぱっと大きく見開いて
ふーっと息を吸い、大きく吐き出しました。

「どうしたの?」
旦那さまが落ち着くのを待って、私は尋ねました。
旦那さまは、横になったまま呼吸を整えながら、こう答えました。
「金縛りに合ってた」
「………」

   ぷ。

真夜中であったにもかかわらず、私はゲラゲラと笑い出しました。
「なにそれー!すごく気持ち悪いんですけどー!」

『金縛りに合って、助けを呼びたいのに、誰にも気付いてもらえなかった』

そんな話は、本などでたまに目にしたことはありますが
半目状態で、「きききき」と言いながら、今まさに金縛りに合っている旦那さまを
私はリアルタイムで目撃してしまったことになるのです。
「顔めちゃめちゃ怖かったんですけどー」

しかしながら、私の様な女をヨメにしているわけですから
旦那さまは、身も心も疲れ果てているのでしょうと
その後、少しマッサージをしてあげたのですが
マッサージしながらも、全く身動きできずに苦しんでいた夫に向かって
「あー、気持ち悪かったー」
と、ゲラゲラ笑いながら、オニの様な言葉を浴びせるヨメ。

うちの夫は、金縛ってもヨメに笑われる。

後日、一緒にランチをしたヘルパーのKちゃんにこのことを話すと
私の、身ぶり手振り付きの、熱の入った生々しい説明に、Kちゃんも爆笑。
ゲラゲラ笑いながら、Kちゃんがこう言いました。
「やだー、なにか憑いてるんじゃないの?
 お祓いとかしてもらった方が良いんじゃないですかー?」
「でも、ああいうのってこっちはニセモノか本物か分からないじゃないですか
 そもそも、『自分には霊感がある』なんて、自分で言うこと自体インチキくさいし」
「だよねー」
「とか言って、少ししたら、私『魔除けの壷、買っちゃった♪』なんて言ってたりして」
「でもインチキだから、相変らずご主人金縛ってたりして」
そして、私たちは、またゲラゲラと大笑いをしました。

うちの夫は、金縛ってもヨメに笑われ、しかもネタにされる。
ああ、なんて可哀相。
ゲラゲラ。

っていうか、あんな不自然な格好(右肘で顔を覆う)で寝ているから
金縛んじゃないかと思うのよ。

うちの夫は、金縛ってもヨメに笑われ、しかもネタにされ
しかも寝ている姿にまでダメ出しをされる。
あー、かわいそー。