a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

佐々木さん。

2011-02-08 00:45:20 | 東京公演
佐々木さん。


僕が劇団に入って、
いちばん最初に泊りの先乗り(いわゆる、出張みたいなもの?)に一緒に行った人。
閑散期とはいえ、
東北の片田舎の温泉宿、
てっきり2人部屋かと思っていたら、
別の部屋だった。
「僕、いびきがすごいんで……」
とのことだった。
まさか、そうは言っても、
気を使ってもらったのかな、
と思っていたのですが、
とんでもない。
となりの部屋にいても、
聞こえてきました。
いびきというか、
なんと言うか、
ちょっと苦しそうな唸り声。
切ない感じというか……。
劇団って、いろんな人がいるなぁ、と思った。
まだまだ若き日の制作1年生のころの話。



その時のエピソードをもう1つ。
驚くほどご飯を食べるんです。
僕もまぁ、食べる方ですが、
夕食時に運ばれてきたおひつは二つ。
食べる人は二人。
ちょっと多いですよねぇ。
でも、
佐々木さん、食べちゃうんですよ。
ぺろりと。
人は見た目によらぬもの、ですね。

さて、
佐々木さんも久しぶりの本公演登場。
『日本の気象』以来になるかな?
比較的中堅・若手の多いこの公演班で、
ちょっとしたアクセントになっています。
そして、
舞台装置である“道路”を、歩かされています!!

最後になりますが、
佐々木さん、群馬県の前橋に住んでいます。
そう、稽古にはそこから通っているのです。
ああ、愛すべき大先輩。
走らないでいいから、
最後まで、元気に、一緒に歩きましょうね♪


Ⓒ東京演劇アンサンブル/撮影:松浦範子
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

東京演劇アンサンブル:制作
日本劇団協議会:主催
次世代を担う演劇人育成公演
『道路』
アゴタ・クリストフ=作
堀茂樹=訳
三由寛子=演出

2011年
2月11日(金)19時
2月12日(土)14時
2月13日(日)14時
2月14日(月)休演
2月15日(火)20時
2月16日(水)19時
2月17日(木)19時
2月18日(金)19時
2月19日(土)14時
2月20日(日)14時

ブレヒトの芝居小屋
(西武新宿線・武蔵関駅下車徒歩7分)
全席自由

当日=3,500円
前売一般=3,000円
前売学生=2,000円

チケットのお申し込みは、劇団事務所かHPより
http://www.tee.co.jp/ticket-web.html

東京演劇アンサンブル
TEL:03-3920-5232
FAX:03-3920-4433
〒177-0051東京都練馬区関町北4-35-17
e-mail:akira@tee.co.jp
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歌いながら話す。

2011-02-06 15:41:11 | 東京公演
台本のト書きには、おもむろにこう書いてある。

彼女は歌いながら話す。

そう書いてあるけれど、
いきなりそうはできないものである。
しかし彼女は、
いきなりそうしてしまうのだ。
なんか、すげー!
読み稽古を聞いて、
そう思ったのだ。

確かにそう台本には書いてある。
でも、何の手がかりもなしに、
そうできてしまうのって、なんか、やっぱり凄い。
舞台にいて、
稽古場にいて、
圧倒的な存在感を放つ女優、三浦潤子。


ベテラン女優であるが、
なんというか、
そういう感じではなく、
別の意味で、存在しているのだ。

年始の劇団総会は、
とにかく討論形式で、今の劇団のことを話し合った。
いろんなテーマに沿って話は進んだけど、
チケットをどう売るのか?
みたいなテーマの時、
彼女の熱に、
とても励まされた。


若い俳優は、
自分が芝居をしていることを、
人に伝えるのも、
簡単にはいかないようで、
そんな話をしていると、
「自信持って言えないなんて話ならない!」
そんな彼女は、
昨年銀座のライブハウスで、
ソロコンサートを自力で成功させていた。
地に足をつけて、
地道に演劇と向き合って、
その支持者を獲得してきているのだ。
ついでに言うと、
彼女自身が主催するワークショップの生徒さんたちも、
足しげく芝居小屋に足を運んでくれる。
これもまた、彼女の人望に間違いない。
自分が出演していようが、いまいが、
東京演劇アンサンブルの舞台に対する信頼が、
そこから感じることができる。


兼ねてから、
キャリアを越えて仲の良い演出の三由に押されての出演。
歌いながら話す彼女に注目です。

Ⓒ東京演劇アンサンブル/撮影:松浦範子
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

東京演劇アンサンブル:制作
日本劇団協議会:主催
次世代を担う演劇人育成公演
『道路』
アゴタ・クリストフ=作
堀茂樹=訳
三由寛子=演出

2011年
2月11日(金)19時
2月12日(土)14時
2月13日(日)14時
2月14日(月)休演
2月15日(火)20時
2月16日(水)19時
2月17日(木)19時
2月18日(金)19時
2月19日(土)14時
2月20日(日)14時

ブレヒトの芝居小屋
(西武新宿線・武蔵関駅下車徒歩7分)
全席自由

当日=3,500円
前売一般=3,000円
前売学生=2,000円

チケットのお申し込みは、劇団事務所かHPより
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東京演劇アンサンブル
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歩く男。

2011-02-05 17:50:41 | 東京公演
劇団員はみんな、彼を「しげ~!」とか、
「しげさん!」と、呼ぶ。
レターで紹介されているように、
鹿児島県の離島、喜界島の出身。


数年前に凱旋公演(?)ではないけれど、
喜界島で『走れメロス』を公演した。
島民約9000人の島で、
大きな体育館で2ステージ、
約3000人の人が観たという。
もはや、伝説。

今から10数年前、
初めてぼくが劇団に来た時、
最初に「飲み行くぞ」と声をかけて来たのがしげさんだ。
いや、もしかしたら、
「飲みに行こうか?」と声をかけて来たかもしれないが、
記憶に残るイメージは「飲み行くぞ」しか考えられない。
言わば、兄貴分的な、
そんな感じがしていた。
そうだな、まるで、ジャイアンみたいな感じ。
……もちろん映画の時のジャイアンだ。


聞くところによると、
喜界島には信号機が一つ。
すべての道路が海に通じているそうな。
少年しげさんは、
さぞやこの島の道を走りまわったのであろう。
さて、
今度の公演『道路』では、
ただ、ただ、ひたすらに歩く男。
自らが設計した高速道路を歩く。
いつの間にやら出口もなく、
行き着く場所がわからない。
歩き続きける間に、
さまざまな人と出会っていく。
思わず「飲み行くぞ」と言ってしまうなんてことはなく、
ただひたすらに歩き続ける。

なぜ、自分が歩いているのか、
わからないままに、ただ、ひたすらに……。
主人公男同様、
ぼくたちの稽古場も、
どこに行き着くかわからないままに、歩く、歩く、歩く。
何かに向かって、ただひたすらに。
いま、しげさんが、
夢中で歩く稽古場の、
その先頭を歩いている。


Ⓒ東京演劇アンサンブル/撮影:松浦範子
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

東京演劇アンサンブル:制作
日本劇団協議会:主催
次世代を担う演劇人育成公演
『道路』
アゴタ・クリストフ=作
堀茂樹=訳
三由寛子=演出

2011年
2月11日(金)19時
2月12日(土)14時
2月13日(日)14時
2月14日(月)休演
2月15日(火)20時
2月16日(水)19時
2月17日(木)19時
2月18日(金)19時
2月19日(土)14時
2月20日(日)14時

ブレヒトの芝居小屋
(西武新宿線・武蔵関駅下車徒歩7分)
全席自由

当日=3,500円
前売一般=3,000円
前売学生=2,000円

チケットのお申し込みは、劇団事務所かHPより
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狂った男。

2011-02-04 20:33:25 | 東京公演

この男、
管理人Aが、たぶん最も信頼する男。
俳優としてとか、
アーティストとしてとか、
そういうことではなく、
人間として、友人として、
とても信頼している。
歳が近いということもあるのだと思うのだが…。

東京演劇アンサンブルでは、
毎年年末に次の年の運営委員を決める選挙をする。
そして『消えた海賊』以来導入されている“偶然性”によって、
2人ほど、くじ引きで無罪放免になるというおかしなシステムも続いている。
そして年が明けて、運営委員同士の選挙によって運営委員長が選ばれる。
昨年は、彼が、東京演劇アンサンブルの運営委員長だった。
熊谷宏平(愛称:クマ)である。


タイトルに挙げたタイプとは、
むしろ真逆にいるタイプ。
まぁ、あえて言えば、
短気で、損気で、わんぱく坊主。
いやいや、
わんぱく坊主なら、いいのだが、
実は優等生でもある。
そん彼が、昨年末の納会でとても感動的なスピーチをした。
それは、もう泣けるくらい。
でも……しかし……、
あまり内容をはっきりとは覚えていない。
酔っていたせいだろう、うん。
たぶん、とても真面目なことを言ったんだよなぁ、確か……。

今回彼は、
芝居の出だしで語り手として登場し、
ラストでは狂人となって登場する。
もちろん、同一人物という設定ではなく、
複数の役をこなすということなのだが。

モノの価値が変わり、
もう生きること、食べることしかなくなってしまった未来。
高速道路しかない未来で、
彼は、“狂人”だと言われるのだが。
しかし、この役、
実に、クマらしい。
『道路』の上では、この上なく、狂人らしいのだ!!
さて、手は明かすまい。



どうか彼の狂人っぷりを見てほしい。
最後に一つ小さな驚き。
稽古をのぞいていたあるシーンで、
衣裳をまとったクマが舞台に居るのだが、
まったくわからなかった。
全然ほかの人だと思っていた。
むしろ、女性かとさえ思った。
不思議だ。
ぼくがクマを間違えるはずないのに。
いったいそれが、どのシーンかも、
観てほしいなぁ、と、
こっそり思ったりしています…。

Ⓒ東京演劇アンサンブル/撮影:松浦範子
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東京演劇アンサンブル:制作
日本劇団協議会:主催
次世代を担う演劇人育成公演
『道路』
アゴタ・クリストフ=作
堀茂樹=訳
三由寛子=演出

2011年
2月11日(金)19時
2月12日(土)14時
2月13日(日)14時
2月14日(月)休演
2月15日(火)20時
2月16日(水)19時
2月17日(木)19時
2月18日(金)19時
2月19日(土)14時
2月20日(日)14時

ブレヒトの芝居小屋
(西武新宿線・武蔵関駅下車徒歩7分)
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当日=3,500円
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出口なき道を行く。

2011-02-03 19:28:44 | 東京公演
ブログが滞り、
大変失礼いたしました。

多少なりともお待ちいただいてる方もいるようで、
声をかけていただき、
うれしい半面、
申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ようやく、ようやく、
このページを開くことができましたので、
今日から、できるだけ、稽古場の様子を伝えられればと思います。

今回の企画は、
(社)日本劇団協議会が主催している「次世代を担う演劇人育成公演」、
東京演劇アンサンブルは制作です。
この「次世代」、
今回は、劇団本公演初演出の三由寛子が選出されました。



若い劇団員の中でも、
牽引力のある女優で、
勉強会では演出経験もある。
今回は、非常に抽象性の高い、
未来を描いた作品。
彼女がどう演出するのか、毎日楽しみでならない。
実は彼女、
しばらく子育てで女優業をお休みしていた。
『明日を紡ぐ娘たち』の再演から再び劇団に復帰し、
いよいよ初演出ということで、
今まで以上に期待がかかっている。

とはいえこの作品、
なかなか一筋縄でいきそうもない。
『悪童日記』で世界をうならせたアゴタ・クリストフの筆力は、
恐ろしく、現代に通ずる力を持っている。
30年以上前に書かれたとは思えない力で、押し込んでくるのだ。



新しいスタッフたちに囲まれて、
新鮮味あふれる稽古場では、
粘り強く、
時に爆発的に、
俳優陣に要求し続ける彼女の姿が光っている。
なんにしても、どん欲だ。
それが、一番うれしい。

ともすれば教条的になりそうな難解な戯曲を、
軽やかさの中に、
深みと、、奥行きを持たせる彼女の視点は、
360度の舞台を要求した。
客席の周りすべてに道が造られた。

ダイナミックな三由寛子の演出『道路』!!
ご期待下さい。



Ⓒ東京演劇アンサンブル/撮影:松浦範子
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東京演劇アンサンブル:制作
日本劇団協議会:主催
次世代を担う演劇人育成公演
『道路』
アゴタ・クリストフ=作
堀茂樹=訳
三由寛子=演出

2011年
2月11日(金)19時
2月12日(土)14時
2月13日(日)14時
2月14日(月)休演
2月15日(火)20時
2月16日(水)19時
2月17日(木)19時
2月18日(金)19時
2月19日(土)14時
2月20日(日)14時

ブレヒトの芝居小屋
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全席自由

当日=3,500円
前売一般=3,000円
前売学生=2,000円

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東京演劇アンサンブル
TEL:03-3920-5232
FAX:03-3920-4433
〒177-0051東京都練馬区関町北4-35-17
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