チーム駿河湾

静岡県水産技術研究所の職員が公私を問わず入手した静岡の海、漁業、海の生き物の旬な情報を発信します。

シラス春漁の予測

2012年03月13日 | 日記
 3月12~13日にかけて県内4地区で、3月21日に解禁となるシラス漁の予測研修会を開催しました。

 予測内容は以下のとおりです。
海 況 予測期間(3月~6月)
1 黒潮 
 黒潮は4月中旬にC型からN型になり、5月後半以降はB・C型となると予想される。
2 沿岸水温
 沿岸水温はC型で平年並み~低め、N型で平年並み、B型で高めとなる。
漁 況 予測期間(3月~6月)
1 春漁(3~6月)の水揚量 
 解禁直後はマシラス主体となる。マシラスの漁場は水温14~18℃で形成される。前年の水揚量381トンを下回る。
 カタクチシラスの水揚量はカタクチイワシ親魚として資源評価におけるカタクチイワシ太平洋系群親魚量、県内における1~2月の定地水温平均より、2,800トン(2,400~3,200トン)と予測される。平年( 3,517トン)を下回るが、前年(2,722トン )並みとなる
2 春漁(3~6月)における初漁期 
 黒潮流路の予測から静岡県海域に暖水が波及してくるのは、4月下旬以降と予想され、カタクチシラスの初漁期は4月下旬以降と見られる。
(初漁期:1日1か統当り水揚量が200kg以上になった時期)

駿河湾の小型底びき網で漁獲されたエビ類

2012年03月12日 | 日記
先月、小川漁協(焼津市)の職員の方から頼まれ、小型底びき網(操業海域は、大井川河口~御前崎灯台の間の200m以浅域と思われます)で漁獲されたエビ類4種について種類を調べました。種名が判らないと浜値がつかないから、とのこと。
結果は写真のとおりで、ボタンエビ(タラバエビ科)、ジンケンエビ(タラバエビ科)、ツノナガチヒロエビ(チヒロエビ科)、ヒゲナガエビ(クダヒゲエビ科)の4種。何れも小型でしたが食用として利用される種類で、水揚量がまとまれば浜値も付くのでは?と思われます。

小笠原諸島西方海域のカツオ

2012年03月08日 | 日記
 御前崎港に小笠原諸島西方海域(水温20℃台)で漁獲されたカツオ6.8トンの水揚げがありました。体長範囲は46~70cmで59cmにモードがみられました。2月に58cmモード群で漁獲された魚で、少し魚体が大きくなっていました。船頭の話しでは、魚群に鳥は付いておらず、ソナーで探しているとのことです。カツオ群が少ないようで、6.8トンを漁獲するのに4日かかっていました。


水揚げされたカツオ


カツオの体長組成

小笠原諸島周辺のカツオと伊豆諸島周辺のクロマグロ

2012年03月06日 | 日記
 御前崎港に小笠原諸島周辺で漁獲されたカツオ6.8トンの水揚げがあり調査に行ってきました。体長範囲は36~71cmで42cmモード群が主体で、60cmモード群が少しみられました。船頭の話しではカツオの群れは少ないとのことでした。また、伊豆諸島周辺で漁獲されたクロマグロが水揚げされていました。体長範囲は51~64cmで58cmモード群で、先月と同じ魚体群でした。


水揚げされたカツオ


カツオの体長組成


クロマグロの体長組成

漂流ブイが観測中

2012年03月06日 | 日記
 海流によって運ばれるイワシ類の卵仔稚魚の分散を調べるために、中央水産研究所が土佐湾に漂流ブイを投入しました。ブイは下の写真に示すような直径35cmのもので、位置情報と水温が送信されます。

 3月5日9時には漂流ブイは八丈島の南西沖まで移動してきています(下図)。


 海況速報と見比べると黒潮に乗って流されていることがわかります。現在、黒潮は八丈島の南を迂回しているC型流路となっており、漂流ブイが今後も黒潮に乗っていると相模湾に近づくことも予想されます。もし、漁具に入網するようなことがあれば、静岡県水産技術研究所資源海洋科(TEL054-627-1817)までご連絡ください。