青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

阪堺の 大長老の お出ましじゃ。

2022年06月13日 22時00分00秒 | 阪堺電軌

(何とも味の染みた暖簾@住吉大社前)

南海住吉公園駅前、そして阪堺電車の住吉鳥居前電停に面した不動産屋の暖簾。「南海商事」という名前は別に南海の系列・・・って訳でもないのでしょうが、なんとなくこの街が南海電車とともにある事を示しているような気がしますね。水間鉄道の訪問を終えて、あとは新幹線に乗って神奈川に帰るだけなんだけれども、夕方まで住吉界隈で阪堺電車を撮る事にしました。

住吉大社の石灯篭と、三井住友トラスト不動産ラッピングの500形。阪堺に来るのは久し振りだったけど、何気に色使いがレモンイエローとスカイブルーで、これが最近流行りのウクライナカラーってやつですかい?と勝手に邪推してしまう。そんなメッセージ性があるのかどうか。まあ広告主もそこまで考えちゃいないと思うけど・・・

ウクライナカラーって言えば、700形の岡崎屋質店のほうがよっぽどウクライナなのだが、これはずーっと昔からこの色なのでまさにそんなメッセージ性は全くない事は明白。いつもの岡崎屋質店である。住吉電停から恵美須町方面へ。路地に香ばしく流れる香りは住吉名物「まむしのいづもや」の鰻の香り。いつも大勢の人が並んでいて、いつか食べてみたいと思いながら叶わないでいる。並んで食うくらいならデンシャ撮影してた方がいいと思ってしまう貧しい性分のせいなのだが、もう少し旅先での余裕が欲しいものである。

水間の後に阪堺に来たのは、GWの特別運行で、普段は運用に入る事の少ない古豪モ161号が運用に入っているというのを聞きおよびましてね。まあ、物見遊山と言うかミーハー的な感じですが、日本の鉄道車両でも間違いなく五本の指に入る古豪。昭和3年川崎車輌製造の路面電車は、御年94歳の古強者。本来であればとっくに廃車されていておかしくない経年の車両ではありますが、阪堺の大長老的なその存在感にファンも多く、最近になってクラウドファンディングによって見違えるように美しく再整備されました。

緑と言うにはちょっと深めのフォレストグリーンに身を包み、重厚なツリカケ音と共に住吉の併用軌道へ出て来たモ161。この運用は公開されているので、住吉の沿道はさながら阪堺ファンでお祭り状態。先日「アド街」で住吉大社が紹介されていた際にも、堂々2位にノミネートされた阪堺電車の代表として紹介されていたのがこのモ161。ファンの方に聞けば、やはりツリカケのモーターが奏でる「音がたまんねえ」のだとか・・・ゲストのタレントは「?」みたいな顔をしておったのですが、同輩の私にはすごくよく分かる話。私も暫し、大長老の奏でる音楽に身を委ねて、大阪のダウンタウンへ繰り出してみようかと思うのである。


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