青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

さくら華咲く大井川

2019年04月06日 22時00分00秒 | 大井川鐵道

(祭りの前の静けさ@家山さくら祭り)

4月最初の週末は、何はなくとも桜。今年も桜×鉄道をどこでどう撮ろうか、迷って悩んで出した結論は、ちょうど都合よく平日に休みが取れた事もあって、大井川鐵道の桜をやってみる事にしました。いやあ、前々から撮ってみたいなあと言うのはあっても、桜が咲いてからの土日の大井川とか人出が凄すぎてまともに撮影が出来る自信がなかったからねえ…。有休じゃなかったらたぶん行かないですよ。午前3時に家を出て、下道節約モードでR1を西へ。大井川で桜と言えば、何はなくとも家山の桜。旧川根町の中心であった家山地区は、古くから桜で有名な町でもあります。


到着は朝6時半、まずは桜のご機嫌伺い。オール満開!と胸を張れるかは正直ビミョーなトコ。木によって咲き方はまちまちだけど、均したらまあ七分は咲いてるかな。家山川沿いに続くさくら祭りのメインストリートは、道路の上に桜の枝が覆いかぶさるように咲いていて重厚感のある見事な桜並木である。さすがにこの時間は観光客の姿はない。たまに地元民が犬を連れて散歩する程度で、宴の前の静けさと言った感じ。


SLの出番はまだだけど、せっかく早起きしてきたので朝イチから三脚を出してみた。それにしても普段の暮らしは怠惰だけれど、どうしてこうも趣味になると元気が出て来るのだろうか。こんな朝もはよから三脚出しているのは私のほかにもう一人だけ。軽く挨拶をして家山川の河原で対岸の桜の咲き具合を見ながらアングルの調整をしていると、山を降りて来る風に、川に流されているこいのぼりがハタハタとはためいた。


始発列車の金谷発千頭行きは、元東急7200系の改造車。東急から両運化改造を受けて十和田観光電鉄へ譲渡されたものが、同線の廃線に伴って大井川に再譲渡されたもの。大手私鉄のセコハン車の再流用というあたりが、大井川鉄道の苦境を物語っているような気がする。太平洋ベルト地帯に属する東海地方ではあるものの、峻険な南アルプスに分け入って行く大井川流域の中山間地の過疎化と高齢化は宿痾とも言えるもので、5年前に千頭までの普通列車が14往復から9往復になり現在に至ります。


茶農家と林業という第一次産業は斜陽化し、僅かに観光業と電源開発という頼みの綱が細々とメシの種として残っているような、そんな大井川鐵道沿線。家山で東急7200と交換してきた始発の金谷行きは南海ズームカー。最近は南海時代を模した系統種別のヘッドマークを付けて人気が復活していますね。普通列車の日中上下2時間間隔は電車の利用者には流石に辛いものがありそうですが、普通電車のスジがスッカスカな分、今日は臨時とは言え新金谷~家山で2往復、新金谷~千頭で1往復の計3往復のSL運行が組み込まれています。

春の桜と秋の紅葉が、大井川が一番賑わう書き入れ時。
その華やかさをカメラに収めるべく、ロケハンを始めてみましょうか。

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