青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

郷に入っては郷に従え

2016年08月20日 22時45分01秒 | 富山地方鉄道

(最終電車@電鉄富山駅)

電鉄富山駅のホームで、僅かな酔客を載せて出発を待つ最終電車23時30分発の上市行きは元東急8590系。北陸のドメスティックな地方鉄道である富山地鉄にも、とうとう東急のお古がやって来る時代になったのですねえ。東急のお古ってのはそれこそ青ガエルの時代から地方私鉄へよく流れてはいますけれども、最近は地方私鉄も車両を自社発注する体力がないもんだから東急系のステンレス車であんまり年次も経ってない車両は引く手あまた。全国の地方私鉄を眺めてみると、体質改善のための更新車輌の導入は東急系か、西武系か、京王系のどれかに三分されている感じがしますね。


内装も…あまり変わってないんじゃないかなあ。東急からは2連2編成が地鉄に導入されましたが、14720形が1編成火災により焼失したのと、北陸新幹線開業に伴う輸送力増強のために車両がとにかく必要だったという内部事情があったような感じがしますね。基本的に2ドアクロスシート車しかいない地鉄に、いきなり入って来た4ドアロングシート車。しょうがないから真ん中の2ドアは締め切りで使っているのだが、ドアを埋めてシートにしちゃうという工事まではしていなかったりと中途半端な部分が多い。車種を吟味したり、改造しているヒマがなかったんじゃないか疑惑。


ちなみにこの日の最終電車に充当されていたモハ17481は、もともとが東急8590系のデハ8592。たまたま平成21年の正月に、二子玉川の駅で写真を撮っていた(笑)。こんときは正月にする事がなくて、駅名でしりとりしながら関東を一周するというとてつもなくヒマな事をしていた際のひとコマなのだが、なんだかんだと同じような趣味を続けているとこんな事もある。カラーリングがそのままなせいか、大井町線のステッカーが剥がされたのと雪国入りを踏まえてスノープロウを履くようになったくらいでそう変わった印象がないですね。

変わったのは形式番号で、東急時代の8590系というナンバーから地鉄17480形というインフレナンバーを貰いました。地鉄ルールは前3桁が馬力+形式番号という採番なので、17480形=「174馬力」のモーターを持つ「80形」と言う事になります。ちなみに14720形=「147馬力」のモーターを持つ「20形」って事ですね。いかに都会の車両だとて、これだけはルールには従ってもらいますよ、と言う地鉄のオキテ(笑)。郷に入っては郷に従えだ。
コメント
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