青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

老雄・最後の夏 Part2

2008年08月27日 22時29分09秒 | 日常

   

小国から乗ったのは私一人の63分遅れの米沢行きは、キハ52127に「タラコ色」と呼ばれた国鉄首都圏色のキハ47515がくっついたリバイバル色コンビ。羽越線との接続を取らず坂町駅を急いで引き返して来たと見え、車内は鉄道ファンと思しき5人のみ。全員が前のキハ52に乗車しているので鉄板でしょう(笑)。後のキハ47には米沢まで誰も乗ってなかったからなあ。
旧型のディーゼルカーは小国駅を離れると、米沢盆地との境にそびえる米坂線の一番の難所、宇津峠に向かって走り始める。羽前沼沢、伊佐領とそぼ降る雨の中、暗い山道をガオンガオンと言う激しいディーゼルエンジンの音を上げながら音ほどには進まないのはご愛嬌だが、さすが2エンジン車なのかトルク感は強い。旧式のバネ仕掛けの台車のバウンド感と、連続する急勾配に窓を震わすエンジンの唸りは迫力満点だ(製造時のエンジンは換装されてるんですけど)。宇津峠のトンネルの中で勾配が下りに変わると、連続して吠え続けたエンジン音も急に軽やかに変わり滑るように山を降りる。霧雨に煙る米沢盆地に出て手ノ子、羽前椿、萩生、今泉、誰も乗る人はいない。

ダイヤを大幅に外れた米沢行きは、予定外に羽前小松駅で15分以上の長時間停車。同業者と思しき5人+1人(自分)が、思い思いに老雄の最後の夏を写真に収めて行く。これがキハ52の面構え。正面床下の片寄せのスノープロウとか、赤く塗られたジャンパー線とか、運転席のニクロム線むき出しの独立したデフロスタとか、車体横に差し込まれた複雑な行き先表示(サボ)とか、ステップ付きの出入り口とかもうここまで来るとフェチですけどかっこいいですよね(笑)。米沢駅に着いてからも、しっかり色々撮影しちゃいましたからw

     

米沢駅で撮影ミッションを完了するともうこの旅の目的は8割方達成されたも同然なので、米沢の隣町である赤湯温泉に行く事にした。ホームで名物駅弁「牛肉どまんなか」をゲットし、普通列車の山形行に乗車。ディーゼルカーに揺られて来た私には異次元とも思える速度で豪快に米沢盆地を北上し、赤湯駅へはあっという間の15分。時間はたっぷりあるので、町の共同浴場「烏帽子の湯」でゆっくりと温泉に浸かる。入浴料100円。ちょっと熱めのお湯に一緒に浸かっていたオヤジ連中の置賜弁は8割方意味が分からなかったが、それでいいんです。
湯上りの体を冷ましながら赤湯の駅までゆ~っくりと歩いて戻り、ホームで山形新幹線を撮ったりしてみる。つか、ホームの外れの待合室で、誰もいないのをいい事に地元の高校生カップルがちちくりあってました(笑)。私が近付いたのに気付いて体を離したカップル、お楽しみの所スマソ。途中まで心の中のみのもんたで実況さしてもらいましたw

   

米沢に戻り、日中はとにかく本数の少ない米沢発福島行き普通列車に乗車。いわゆる「板谷越え」の区間を走るので車窓風景に期待していたのだが、せっかく運転席の後ろの席をゲットしたのに運転士が遮光幕■■■では話にならない(笑)。確かにトンネル区間で遮光幕下げないとフロントガラスに車内の明かりが反射してしまうのではありますが…と言う訳でフテ寝。車窓の景色も濃い霧に包まれてしまって全く見えなかったしな。峠駅名物の力餅も買いそびれちゃいました。夢の中でかすかに餅売りの売り子さんの元気な声は聞こえたのだが…

福島から郡山、郡山から黒磯、黒磯から宇都宮は東北本線の単純な乗換え修行なので割愛。福島から郡山は18きっぷ時期にありがちな2両編成にすし詰めと言う殺伐さ。郡山のホームに止まってい元東北のスター583系あいづライナーに癒される。ショート編成にはなってしまいましたが、この車両を見ると「ゆうづる・はくつる・はつかり」なんて名前が思い起こされますよね。

宇都宮でようやくバタバタした乗換え修行にも一区切り。宇都宮始発の湘南新宿ライン逗子行きのグリーン車へ乗り込んでビールを飲りながら「牛肉どまんなか」を胃へ収め、適当に暮れて行く下野の街の明かりを見ながら眠れば横浜。旅のエピローグのSuicaグリーンは最近定番になりつつあるな。今日も満喫。

それでもまだ1枚手元に18きっぷ残ってるんだよねえ。
さすがにもうネタがなくなって来たのだがw

コメント (2)
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