2月は、トニーが亡くなった月だからかCATVでトニーの映画が多く放映されてる。チャチだとか荒唐無稽だとか今の人は言うかもしれないけどそれは、シナリオの問題で、トニーのせいではないから、そんなのカンケイネェ。日本版西部劇「幌馬車は行く」と日本版エデンの東「錆びた鎖」を見たことがあるだろうか。トニー以外であの役は、こなせないし、あの限りない可能性を感じさせることができた俳優は、裕次郎くらいなもんだと思う。この映画の中で共演しているのが笹森礼子という当時浅丘ルリコと人気を二分していた女優だ。トニーの遺作となった「紅の拳銃」でも最後の共演をしてたけどその彼女が、素材として一番輝いていたのがこの2本の映画じゃないかな。健康ではちきれんばかりの若さと美しさが同居して、トニーの孤独感と彼女のひたむきさが何となく溶け合って映画自体を明るくしている。スクリーンのまま、若くして引退したからその後の消息は知らないけどトニーが生きていれば69歳だから彼女は2歳下だったかな。もし、今見ることがあったとしても、僕らは、あの時のスクリーンの中の彼女を見てるんだろうなと思いながら素直にのびのびと演技する笹森礼子を見ていた。ああいうタイプの女優さんは、もうでないだろうな。考え方の中心がぶれてない人って好きだな。
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