今この国の状況は極めて複雑~と思います。
誰も正確にはその状況を把握できてないのではないかとさえ思います。
が、映画はこの国の姿を少しだけみせてくれます。
「一枚のはがき」(2011年8月公開)は、99歳の新藤兼人監督からの渾身の力をこめたメッセージといえる作品ですが、
「川の底からこんにちは」(2010年 石井裕也監督作品)は、それに匹敵するような迫力の、若い世代からのメッセージと思いました。
もし誰かが、いろんな世代の人にこの二本の映画を観てもらい感想とかアンケートをとって分析するなら、それだけでも論文が書けるのではと思います。
「川の底からこんにちは」の公式ホームページの紹介の仕方がちょっとぴんとこないのですが~~~
社会問題なんてどうでもいい(ここでは環境問題が最初はおちょくられてでてきます)、愛なんて死語、職場にも自分にも何の希望もなく「仕方ないですよ」が口癖の主人公が実にリアルに描かれています。その主人公が病気で倒れた父親にかわってしじみ工場をついで変わっていく物語です。
「一枚のはがき」の反戦と愛のメッセージは一定の年齢以上の人にはまっすぐに伝わるけれど、伝わらない世代もあるということが十分に想像されてしまいます。
ずっと以前から世代間のギャップとか断絶とか言われてきたけれど、今の断絶状態はかってなかったように思います。
絶縁状態といってもいいかもしれません。
何があればこのギャップを埋めることができるのか~今の私には想像できませんが、もし埋めることができるなら世の中は確実に変えられるだろうと思います。
(埋められなければ社会はさらに生きにくい方向にいってしまいそうです)