映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

silent

2022年12月26日 | テレビドラマ

われても末に・・・

* * * * * * * * * * * *

私、当ブログでは連続テレビドラマは扱わないことにしているのですが
(かなり多く見ているので、のせ始めるとキリがない)、
この度最終回を迎えた「silent」には思い入れがありすぎて、
書かずにいられなくなってしまいました。

始め、あまりにも純粋でキレイすぎるラブストーリーに思えて、若干半信半疑で見ていました。
ところが次第にのめり込んで、最終回にはガ~ンと打ちのめされました。
ごく稀なことに2回見てしまいました。
また見るかも。

 

あらすじも何もすっ飛ばして、最終回についてのみ記します。

高校時代の紬と想、そして現在の紬と想、
同じ教室の黒板前のシーンが重なり合います。

ほとんど逢うのはもうこれが最後かと思われる二人が、
黒板にチョークで文字を書いて語り合い始めます。
なかなか本心を語ろうとしない想。
・・・というか、なんと言っていいのか分からないというのが本当のところなのかも知れません。
でも、そんな想から言葉を引き出すのも紬の力ですね。

ここのシーンではもう、泣けて泣けて・・・。
2回目を見ても同じでした。

「声を出さない」「笑わない」・・・
想がイヤならもうしないと、黒板に書き始める紬。
想はそれを手でこすり消していきます。
(黒板ふき、そこにあるのにー、と私は一人突っ込んでしまいましたが。)

なんという名シーン。
結局、「声」でなくても、文字でも手話でも、
伝えようという気持ちと、分かりたいという気持ちがあれば
気持ちは通じるのです。
けれど、それを放棄してしまったら、いくら心で思っていても伝わらない。
言葉は大事ですね。

 

それにしても、こんなに手話に感情がこもるものなのか。
目からうろこが落ちた気分です。
出演者さん達の演技が素晴らしすぎる!!

目黒蓮さんは、プライドの高すぎる「柏木」よりも、やはりこちらの「佐倉想」ですよねー。
ほんの少し哀しみを帯びたような優しい笑顔にキュンです。
これからもついていきます!!

 

本作放送中に、想と湊斗ではどっちがタイプか?みたいなことを何人かに聞かれました。
その質問、はやってるの?と思ってしまった。
その時はどっちも純粋すぎて、もっとバカっぽい方がいいなんて答えたのですが、
いやいや、今ならやっぱり想君だわ・・・。

あ、もちろん湊斗くんもいいけれど、あまりにもいい人過ぎますよね。
彼には何が何でも幸せになってほしいです!!
「そんなこと言ったら、今幸せじゃないみたいじゃないか」、と湊斗くんは言っていましたが。

 

過去も現在も、二人はいいムードになったところで、キスするのでは?と思ったのも裏切られて、
なんと耳元に口を近づけてのひそひそ内緒話。
その内容は、明かされません。
でもコレがまたなんとも新鮮で、その親密度もうかがえて、
素晴らしいシーンです。

特に最後の場面、これまで想は紬の前で言葉を発することを避けていたのですよね。
そこをいきなり、耳元で「声」を発するなんて、反則過ぎです!!
紬はその時、涙をこぼしていましたから、
きっと「紬、大好きだ、ずっと一緒にいたい」くらいのことを言ったのでは・・・?
・・・などと夢想して楽しむ私。

ラストのかすみ草のエピソードもナイスで、もう、いうことなし。

 

おまけ。
高校時代の教室の黒板。
授業の板書がそのままになっていたのですが、そこに書かれていたのが

「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢わむとぞ思ふ」の歌。

まさに、われても末に出会ったふたり。
やられました。

 

「silent」
フジテレビ 2022年10月クール 木曜よる10:00~
脚本:生方美久
出演:川口春奈、目黒蓮、鈴鹿央士、桜田ひより、板垣李光人、夏帆、風間俊介、篠原涼子

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿