そーすから
中国から撤退する日本企業が増えている。その理由はなんだろうか?
中国人について中国在住の日本人に聞いてみると、こんな答えが返ってくる。
「誤りを認めない」
「自己中心的」
「ルールより情実優先」
独特の中国人気質や文化に日本企業が悩まされたエピソードは数多い。最近では中国進出したメーカーや流通業者が撤退や生産縮小の動きを見せている。 中国での事業展開に新たなリスクが顕在化し始めている。日本企業が撤退していく原因を探っていく。
第1は「人件費の上昇」
12年に入ってから中国政府は最低賃金を平均10%以上、内陸部では20%以上も引き上げた。
代表例はフォックスコン。フォックスコンの以前の記事についてはこちら
ユニクロのファーストリテイリングは、人件費の高騰からすでに製造の一部をバングラデシュに移し、今後は製造の3分の1を中国以外へ移転させる計画。すでに欧米のアパレル企業は続々とバングラデシュに進出しており、日本企業もそれに続けとばかりに「バングラ詣で」に繰り出している。繊維産業だけでなく、他の産業でも脱中国の動きが起きており、新たな製造拠点としてベトナムやインドも人気である。
第2は「市場競争、価格競争の激化」
外資系企業の優遇税制が廃止されたことに加え、現在では多くの外資系企業が中国で熾烈な競争を繰り広げている。。
第3は「労働者の権利意識の高揚」
中国では労働者の就業権利保護などを定めた「労働契約法」の施行(2008年)以来、賃上げに関する労働争議が頻発している。代表的なのが、北京松下電子部品有限公司で起きた労働争議(2009年)の事例。 同社は社員の70%をリストラする計画を立て、法定以上の補償金を支給すると通達した。 しかし、不満を持った従業員約600人が日本側総経理(社長)らを6時間にわたって軟禁。その後、工会(労働組合)の上部機関が仲裁に入り解決したが、計画よりも多額の撤退費用が必要になったとされている。
2010年には各地でストライキが起き、ホンダやデンソー、ブラザー工業などの工場は操業を停止する事態になり、ホンダは平均24%の賃上げ要求をのんだ。この2か月間で、ストが発生した外資系企業は40社以上にのぼり、その内7割以上が日系企業だった。
第4は環境問題に対する考え方の変化
いい意味での変化だと思う。
王子製紙に対するデモを代表例にしてみよう。同社は江蘇省南通市の工場で排水管の設置工事を計画していたが、住民の間で環境汚染への不安が高まり、地方庁舎前に5000人が集まるデモに発展した。 ある専門家はこう語っている。 「中国では、生活環境に対する意識が非常に高まっている。たとえば、上海政府は14年までにリニアモーターカーを杭州まで延伸する計画だったが、沿線住民の反対で宙に浮いている。今までなかった事態です。おそらく王子製紙の計画に問題はなかったのでしょうが、政府に許可を取るだけで住民に十分な説明をしないと、今後も同じような問題が起きるでしょう」
第5は中国人の仕事に対する考え方
中国人は転職するということを至極簡単に考えている。
入社したと思ったら、あっという間にいなくなってしう。中国天津の日系企業で働く弊社を例にとってみる。
私が中国のこの会社に来て早1年になるが、30人前後の社員の中で、10人がすでに入れ替わっている。
もちろん働きにくい、働きやすい、やりがいがある、福利厚生がしっかりしているなどのいろんな理由があるが、3年間中国で中国人と接触して分かったことは仕事に対する見方が日本人と全く異なる故、会社としてバランスを取るのが難しいということも中国でやっていくのが難しい一つの理由ではないだろうか。