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阿鼻叫喚〟韓国経済、暗号試算が大暴落 尹政権発足後いきなりピンチ 価値が一時「1億分のいち」さらなる利上げで袋小路に
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足直後から、韓国経済は大きな問題に直面している。若者らの投資が過熱していた同国発の暗号資産(仮想通貨)の価値が一時、「1億分のいち」に暴落した。
一方、自国通貨ウォンの下落を防ぐために政策金利の引き上げを繰り返すが、住宅ローン金利上昇などの副作用で、生活への負担は増すばかりだという。
問題になっているのは、韓国で生まれた暗号資産「テラ(ルナ)」と姉妹通貨の「テラUSD」。ルナの取引価格は5月7日時点で日本円で1万円を超えていたが、14日には0・003円程度にまで落ち込んだ。中央日報(電子版は)「ルナに全財産を投資し事実上破産状態になったMZ世代(20~30代)も少なくない」と報じた。
ルナの騒動は、法定通貨に連動する「ステーブルコイン」の1つで、ドルと連動するように設計されている「テラUSD」の暴落がきっかけだった。
第一生命経済研究所主席研究員の柏村祐氏は「2021年初めには、まだ価値がついていなかったが、USDという米ドルに裏付けられたステーブルコインと連動したことで22年以降に急騰していた。今回の暴落は、売買される上でアルゴリズム(コンピューターによる自動取引の仕組み)での対応ができなくなったためだとみている」と話す。
米国の利上げの波も韓国を直撃している。韓国銀行(中央銀行)は26日、政策金利を0・25%引き上げ、年1・75%とすることを決めた。利上げは2カ月連続で、昨年8月以降、計1・25%上昇した。
利上げはウォン安と物価高への対応が狙いだというが、米国も利上げの意思を明確にしており、焼け石に水だ。
また、マンションなど不動産の高騰が問題となっている韓国では住宅ローンは変動金利が多い。住宅ローン金利が上昇して家計の返済負担が増すと、消費を冷やすことにつながる。
朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「利上げは株価には下げ圧力となるため、若者を中心とした借金をしてまで投機する人々への負担は高まってしまう。また、家計負債の多い韓国では、金利の上昇で貸し倒れが増加する懸念もある。構造的な問題なので対処は非常に困難で、袋小路といっていい」と解説する。
20日に訪韓したバイデン米大統領は、サムスン電子の半導体工場を視察した。サムスンは今後5年間で半導体やバイオ、人工知能(AI)などの分野に450兆ウォン(約45兆円)の投資を行うと発表した。
前出の松木氏は「若者を中心に失業率の高い韓国だが、雇用は大企業頼みの側面が強い。また、サムスンなどの大規模投資も、国内全体にどれだけ恩恵があるかは不透明だ」と述べた。