小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

いわずにおれない

2006-07-20 22:54:13 | 読書

           

 

インパチェンスの花。

暑い日が続いていたときは、すっかり元気をなくしていたのですが、ここ数日の雨が嬉しそう。

 

今日は、久しぶりに「詩」いきま~す。

 

花の図鑑を返しに図書館に行ったら、こんな新刊本を見つけました。

 

「いわずにおれない」 まど・みちお著 集英社Be文庫

      

 

まど・みちおさんの作詞された童謡

 いちねんせいになったら

 ぞうさん

 やぎさんゆうびん等など

 

1909年11月16日 山口県生まれ。

36歳で川崎市に移り住みます。

日本で初めて国際アンデルセン賞作家賞にも輝きました。

 

この本は、97歳のまどさんがそれぞれの詩についてその時の思いをインタビュー形式で載せられています。

その一部から

 

そもそも詩というものは、10人読んだら10人が違う感想をもつものでね。

感じ方はひとつじゃなくていい、その人が感じたいように感じてもらうのが一番いいと私は思っておるんです。

だから、この詩はこういうふうに読んでほしいっちゅうことは、それをつくった私にも言えないんですよ。

ただ、その詩がどういうふうに読まれたがっているかということはあります。

たとえば「ぞうさん」でしたら、

ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね

と言われた子ゾウは、からかいや悪口と受け取るのが当然ではないかと思うんです。

この世の中にあんな鼻の長い生きものはほかにいませんから。

顔の四角い人ばかりの中に一人だけ丸い人がおったら、本来はなんでもない「丸い」っちゅう言葉が違う意味をもってしまう。

われわれ情けない人間だったら、きっと「おまえはヘンだ」と言われたように感じるでしょう。

ところが、子ゾウはほめられたつもりで、うれしくてたまらないというふうに

そうよ かあさんも ながいのよ

と答える。

それは、自分は長い鼻をもったゾウであることを、かねがね誇りに思っていたからなんです。

小さい子にとって、お母さんは世界じゅう、いや地球上で一番。

大好きなお母さんに似ている自分も素晴らしいんだと、ごく自然に感じている。

つまり、あの詩は、「ゾウに生まれてうれしいゾウの歌」と思われたがっっとるんですよ。

 

これを読んだとき、母親に殺されてしまった彩香ちゃんのことを思いました。

どんなに傍目にはだめな母親に見えても、彩香ちゃんにとっては世界に一人だけの大好きなお母さんだったんだと思います。

テレビに何回も映し出される写真やビデオの中の彼女はいつも笑顔。

でもその笑顔の裏にはこんなに好きなお母さんにもっと愛してもらいたいっていつも思っていたんでしょうね。

天国で本当に優しい人たちに囲まれて幸せにしていてほしいです。

 

今日の私の小さな幸せ

 

まどさんのほのぼのした詩と話にふれたこと。


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8 コメント

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あら! (titti1183)
2006-07-21 09:59:01
まどみちおサンと同じ誕生日だったんだ、ワタシ!!



ちょっとビックリ&嬉しかったです(笑)



ぞうさんのうた、歌っててほんわかあったかい気持ちになるのは何かが伝わってきてるんだな、ワタシにも。



と、あらためて思いました。



事例は違いますが昭和天皇のメモの件で同じようなことを感じました。



メモに残された断片だけがひとりあるきしちゃって、その時の昭和天皇の真意や前後の話の流れや、いろんなことが今はまだわからないんじゃないかなぁって。

どう捉えるか。どう感じるかはそれぞれ。





そして。あやかちゃん。

天国では幸せであってほしいとワタシも心から思います。
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まどさんの詩 (*aprile)
2006-07-21 13:49:44
こんにちは。

まどみちおさんは山口県でもよく取り上げられてます。まどさんの作詞された童謡はよく耳にしていた気がします。懐かしい感じの詩です。詩は本当に個々で感じ方が違いますよね。

彩香ちゃんにとってもお母さんは大きな存在だったでしょう。笑顔の彩香ちゃんを見ると本当に悲しくなります。
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 (kenji)
2006-07-21 21:24:14
 ってもの凄く主観的なものなんですね。

 特に私の場合、自分が感動したことでないと詩にならないんです。

 だから、一旦世に出してしまった詩をどう解釈されようと仕方がないと思っています。
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誕生日が同じ・・・ (tami)
2006-07-21 21:56:41
titti1183さん



まどさんと誕生日が同じtitti1183さん、いいなあ~。(笑)



文章は、算数と違って、1+1=2という答えじゃないから難しい。だから楽しい。

そんな気がします。でも答えが1つじゃないから読むほうの知性や教養が大事。やはりいい本を沢山読まなくては・・・。

titti1183さん、又読書はスピードでてきましたか?(笑)



titti1183さんの感受性って素晴らしいから、どんどん磨きをかけて進化していってください。

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山口 (tami)
2006-07-21 22:05:29
*aprileさん



書きながら、まどさんは*aprileさんと同郷なんだと思いました。

山口県は詩人が沢山いますね。



*aprileさんもそのうち・・・・。



詩を読んでいて、この詩人の詩好きだな~とか、この詩人の詩はよく言っていることがわからないな~って思うことがあります。



でもあるとき、自分の気持ちがピッタリそのすきじゃない詩人の詩とリンクしたりする時もあります。



詩も短歌もやっぱりいいですよね。
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詩人 (tami)
2006-07-21 22:12:08
kenjiさん



そうでした、そうでした、kenjiさんは詩人でしたね。



久しぶりに又、「詩の散歩道」覗いてきました。

2005年6月の後、新しい詩のアップがまだないのが淋しいですね。



こんな素晴らしいホームページを作れるなんてすごいですね。



T-Time(5.5)ダウンロード済みでしたよ。(笑)



又kenjiさん、詩を書いてみてください。
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お母さん (peach)
2006-07-22 10:52:23
大好きなお母さんに似ているって嬉しいことですよね。

娘は明るくハイテンション、私は人見知りで・・・

あまり性格は似てないと思ってたのですが

娘は「私とママは似てる!」って言うんです^^



詩に込められてる想いを知ることが出来るって、いいですね。

「ぞうさん」は大好きで、赤ちゃんの頃抱っこしては毎日歌ってました。



今回の事件も本当に悲しい事件でしたね。

世間にはしられてないだけで、たくさんの虐待が隠れていると思うんです。

同じように子育てしてるお母さんたち

どうか大切な宝物をギューっと抱きしめてって思います。。。
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本当に・・・・ (tami)
2006-07-23 00:37:12
peachさん



同じ年頃のお嬢さんを持つpeachさんならではのコメントですね。



畠山被告のお友達が彼女に

「髪切ったら?」

って言ったら

「彩香がお母さんの長い髪が好きっていうから」

って言ってたと言ってましたが、これは本当の事だろうなって思いました。

彩香ちゃん、突き落とされた時お母さんが自分を殺そうと思って突き落としたと思わずにいてくれたらなと思います。



peachさんの葵ちゃんのようにご両親の愛を一杯一杯受けて育っていたらきっと素晴らしいいい子に成長すると思います。

そして又葵ちゃんがママになった時自分が愛されたように、自分の子供を愛して育てる事でしょう。

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