小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

聞き屋与平

2017-02-23 19:21:37 | 読書

 

 

 

宇江佐真理著

江戸夜咄草

「聞き屋与平」

 

商家薬種屋の裏の通用口を開け

行灯をのせた机を置き

人の話を聞く聞き屋をしている与平

 

お代はお客様の志

持ち合わせがなければ

ただ

 

今風に言えば

傾聴ボランティア

 

市井の人の話をゆっくりと聞いてあげる

意見をするわけでもアドバイスをするわけでもない

 

それでもしゃべり終えてすっきりとして帰っていく姿に生きがいを感じる与平

 

彼にも人には言えない秘密(過去)を持っている

墓場までもっていくつもりだった

 

が、最後の最後に彼も胸にしまった秘密を聞いてもらって

死んでいくのだった

 

働いて成功して

息子に後をついでもらって

老後、何をして過ごそうと思っていた時

人は自分の話を聞いて欲しい

意見など求めていない

ただ聞いて欲しい

という欲求をもっていることに気がついた与平

 

聞き屋をすることは

過去の贖罪だったのかもしれないのだが・・・

 

親に吉原に売られそうになっている少女

武士の妻だったが、男に惚れて夜鷹に身を落とした女

髪結いとすりをしている男

小僧

お武家様

 

読者は色んな悩みを与一と一緒に聞くことになります

 

いつの時代もみんな悩みながらも一生懸命に生きているんですね~

いい小説です

 

 


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