今年の桜は、散りときを見失ったのか、それともサービス精神が旺盛なのか、いつまでも咲いています。
桜が散ってしまわないと、気持ちに区切りがつかないから不思議です。
こんなエッセイを見つけました。
花の名前
麻生 圭子
友人の脚本家に、元女優の人がいる。
売れない女優だったときく。
たまに振り当てられる役も、通行人A、主婦Bといった名前のないものばかり。
そのとき誓ったのだそうだ。
自分が脚本家になるようなことがあったら、どんな小さな役でも心をこめて名前をつけるわ、と。
あるとき、その彼女から言われた。
「名前は心の入り口なのよ」
私は花の名を知らない。
なのに、野山の花が好きで、人にもそう言いふらしてきた。
「名もなきものを愛している、なんていうのは、その人の思い上がりよ。
たとえば男を好きになったら、まず名を知ろうとするでしょ」
不意打ちをくらったと思った。
その足で深夜まで開いている本屋に出掛け、植物図鑑を探した。
確かに名もなき草花など、一つもこの世に存在していなかった。
それから数年が経った。
なのに未だ、花の名に私は詳しくはない。
ただ好きな野の花、山の花だけは覚えた。
素敵な人を見かけると、その人のことが知りたくなります。
ブログでも、素敵な写真を載せていたり、達意簡明な文章を読んだら、この人は一体どんな方だろうと思います。
プロフィールをすぐに見ますね。
でも、詳しく書いている方は少ない。
後は、文章から想像するわけですが、写真ブログだと男性なのか女性なのかさえわからないことがあります。
しばらく勘違いしていることもたびたびです。
その人のことが知りたいと思った時から、恋は始まる?
今日の私の小さな幸せ
タラの芽をいただきました。
早速、てんぷらに・・・。